またゴルフがダメになった。今度はかなりの重症。立ち直りは無理かもしれない。
前兆は2年前のワールドカップ・ドイツ大会時に起こった。取材中、突然左足が痺れ、それが痛みに変わって歩けなくなった。脊柱管狭窄症、ジャンボ尾崎さんやみのもんたさんを悩ませた腰の病気だ。いわば加齢現象で、最悪は手術が必要になる。一度、書いたので覚えている方もおいでだろう。ただ、あのころは、やがて治ると高をくくっていた。ゴルフもカートを使えば問題はなかった。しかしいまは、洗面所で髪のセットをしているだけで痺れ、番組のオープニングトークの7分間がつらくなってきた。
次の要因は「週刊!エンタ★マイスター」という『とくダネ!』のコーナーだ。毎週発売になるCD、DVD、週末封切りの映画を紹介する。あくまで、私の偏見と独断により推薦し点数をつけなければならない。手元に届くCDは毎週50枚、映画は10本。1週間で70時間以上を費やすことになる。関係者から渡されるものを知らんぷりはできず、結局、観たり聴いたりしてしまう。したがって、週2~3回のゴルフ練習と週2回のプレーは不可能になった。
不器用で、回数でこなしてきた私のゴルフである。瞬く間に崩れ始めた。思い通りの球が打てず、スコアも惨憺たるもの。クラブに頼って新しいものに変えると、さらに悪循環。元に戻しても、あがくばかりで、後退あるのみ。自分のスイングが体に染み付いていると思っていたが、よいころのフォームにならない。というより、思い出せない。トップ、ダフリ、フック、スライス、何でもありになってしまった。数年前、ショートの小倉、ドライバーの小倉と誉めそやされたショットは影を潜め、グリーンに乗らず、フェアウエイを外す。
「小倉ちゃんどうしたの?」と聞く同伴プレーヤーの目が、完全に哀れんでいる。左のひざが伸び、腰の姿勢をアドレス時から打つ瞬間まで保てない。テークバックをどこに上げるのかしっくりこず、力まず回転しようと試みれば力が入る。遂には、パターまで狙った距離が合わず、ショートパットも人をバカにしたような外れ方をする。
そんなに厳しい状況の中、名門「東京読売カントリークラブ」でプレーすることになった。アップダウンが激しく、しかも歩いてのゴルフ。大丈夫かなと不安にかられたままスタートしたのはよかったが、低い温度と強い風、前半で49もたたいてしまった。ロキソニン、ボルタレンと痛み止めを飲んで後半、いきなりトリプルで、10番はグリーン回りが行ったり来たりの4オーバー。14番終了時、足の痺れがひどくなりリタイアとなった。
15年のゴルフ人生、雨風にも負けず、雪が降ってもホールアウト。途中であきらめることがなかったゴルフの虫がこのざまだ。来月はやめているかもしれない。乞うご期待。
1947年秋田県生まれ。東京12チャンネル(現テレビ東京)アナウンサー出身。76年フリーに。現在は『とくダネ!』(フジテレビ系)や『嵐の宿題くん』(NTV系)、『小倉智昭のラジオサーキット』(ニッポン放送)の司会を務めるなど、幅広く活躍中。
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