「ベンツGLE」は最新進化で一体何が変わったか 大型化で7人乗りとなった人気SUVの真価
実際に、GLE 450 4MATIC Sportsはボディの大きさをまったく感じさせない力強い走りを味わわせてくれる。最高出力は270kW(367ps)、最大トルクは500Nmという数値だけでは充分に想像できないかもしれない。とにかくパワフルさを感じるのだ。
走り出しからトルクがたっぷり感じられ、エンジンの回転が上がっていくと、ISGの電動モーターが作動し、次にターボチャージャーが、というぐあいで、みごとなパワフルさである。
9段オートマチック変速機は、ドライバーの意思をしっかりくみ取ってくれて、アクセルペダルの踏み込み量などに応じて、変速タイミングを調整してくれる。それがまたなかなかいいぐあいにツボを得ている。
ダイナミックセレクトも装備しているので、ドライブモードがいくつも設定されている。選んだモードに応じて、変速タイミングや操舵力の重さやダンピングなどが変わる。私は、乗り心地がびしっとして車体の揺れが少ない「スポーツ」がもっとも好みに感じた。
ステアリングフィールは、しっかりしている。中立付近でも反応をよくしている。
GLE 450 4MATIC Sportsのよさは、力強く走るのだが、いっぽうで快適さを感じさせてくれるところにある。
車体はコーナリング中、安定して動く。たとえばフロントの右側が沈むとリアの左が少し持ち上がる。それがクルマの操縦性に寄与していて、動きがつかみやすいので運転していて安心感をおぼえるのだ。
とにかくスポーティなモデルを、というひとは、おそらくこのあと発表されるメルセデスAMGモデルを待つといいかもしれないが、リラックスして走れる余裕あるサイズのSUVを探しているなら、メルセデスベンツ・ブランドのGLEが充分期待に応えてくれそうだ。
メルセデスの最新デザインで若々しくなった
小さなコーナーが連続する道では、さすがに車体の質量の大きさを意識する。ひらりひらというわけにはいかない。まあ、7人乗りの車体だから、それはしようがない。
全長は4940ミリ、全幅は2020ミリ、全高は1780ミリで、ホイールベースは2995ミリと、堂々たるサイズだ。主市場のひとつである米国では、3列シートのSUVの売れ行きがけっこう好調だという。日本ではそこまで使うかわからないけれど、ゴルフやアウトドアといったとき、この広さは便利だろう。
GLEはスタイリングも若々しくなった。Mクラスと呼ばれていた初代(1997年)の特徴だった、独特の形状をしたリアクォーターピラーはいまも引き継がれているが、全体としては新世代のメルセデス・ベンツのデザインだ。