“超男社会”でデキる女が男をいなすコツ 刑事ドラマに学ぶ女性ボスのサバイバル術

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 自分に反感を持つ曲者の男性刑事たちを味方につける

 ブレンダ(左)と男性刑事たち。「ファイナル・シーズン」より

 

部下の面々が、なかなかの曲者(くせもの)ぞろい。チーム最年長者の古株で、一見やる気のないプロベンザ(G.W.ベイリー)は、セクハラまがいの言動でブレンダをバカにした態度をとり、斜に構えてシニカルなジョークを言いつつも経験豊かなフリン(トニー・デニソン)は、ブレンダを追い落とそうと画策する。この2人の老練な警部補コンビがチームの反ブレンダ勢力としては大きい。

同じく警部補でコンピュータや電子機器のエキスパートのタオ(マイケル・ボール・チャン)、チーム内で唯一スペイン語が話せる捜査官サンチェス(レイモンド・クルツ)、知的な女性捜査官ダニエルズ(ジーナ・ラヴェラ)ら若手も、冷ややかにブレンダを品定めし、距離を置いている。

そう、女性だからといって女性の味方になるとはかぎらない。それを身を持って知っている読者は多いに違いない。

ここでロサンゼルス市警の階級を整理しておくと、ブレンダの肩書きは、本部長を頂点とする組織において本部長補佐だからかなりの上級職。本部長の下に副本部長ポープがおり、以下、テイラー警部を筆頭にプロベンザやフリンら警部補、その下に巡査部長や捜査官がいるという図式になっている。

唯一、ブレンダに紳士的に接するのがアフリカ系の巡査部長ガブリエル(コリー・レイノルズ)。USCの修士号を持つ頭脳派で、チームの中では比較的バランスのとれたキャラクターだが、実は彼はブレンダの人事に猛反発する強盗殺人課のベテラン警部テイラー(ロバート・ゴセット)を尊敬しているので複雑だ。

前述のフリンは、まさにテイラーのスパイとしてチームの分断を図ろうとする。この野心家で上昇志向が強いテイラーこそが、ブレンダにとって真にやっかいな存在と言えるだろう。てっきり自分が抜擢されると思っていたポジションを、あっさり外部から来た女性に奪われたのだから、その恨み節はすさまじい。

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