韓国「不買運動」の原因は反日感情だけではない

国交正常化以降、続く対日貿易赤字に危機感

韓国からの輸出品の影響力が日本で弱まる間に、韓国は対日輸入シェアの減少とは関係なく、部品と素材の日本への依存度を下げることができなかった。原材料をつくる主力産業(輸出)分野で、日本の部品・素材技術に依存せざるをえなかったためだ。

1970年代から中間財を海外から購入し、国内で組み立てる加工貿易中心の輸出戦略を駆使した韓国としては、日本は地理的に近く、低コストな流通が可能だったことに加え、技術力と資本力を兼ね備えた日本企業が多かったため、中間財導入ではすべて日本に頼ってきた。

1990年代から高い対日依存度を引き下げ、技術力を育てて国産化比率を高めるべきという声が高まった。しかし、1990年代末のアジア金融危機と2008年のリーマンショックなどで企業の苦境は拡大し、これといった成果を出すことができなかった。

大企業に部品・素材を供給する中小企業をきちんと育成するよりは、大企業は中小企業から搾り取ることしか頭になかった。いわば、偏った産業構造を改善できなかったということだ。結局、これといった代案がないまま日本産の部品・素材に頼り続けた結果が、2000~2010年代の巨額の対日貿易赤字だった。

旅行などの貿易外収支も対日赤字が続く

韓国は旅行に関する収支などからなるサービス収支でも、対日赤字を記録中だ。韓国銀行によれば、2012年のサービス収支は36億ドルの黒字を記録したものの、2015年には赤字となり、2018年まで赤字続きだ。2018年の対日サービス赤字は28億ドル。これは、日本に旅行する韓国人旅行客が急増したことが大きい。

旅行収支は2012年以降悪化し、2014年から赤字幅が拡大している。昨年の対日旅行赤字だけでも34万ドルとなった。韓国観光公社によれば、2010年に韓国を訪れた日本人は302.3万人で、日本を訪れた韓国人は243.98万人だった。しかし、2018年に日本を訪問した韓国人は753.9万人となり、韓国を訪問した日本人294.9万人の2.5倍となった。

最近の不買運動の流れで日本への観光旅行のキャンセルが増えていることで、今年の旅行収支は改善される可能性が残されている。旅行業界によれば、韓国トップの旅行代理店ハナツアーの日本行き商品の新規予約者数は7月、1日平均500~600人程度。1100人程度はいた以前の予約者数から比べると半減している。他の旅行代理店も同様な状況のようだ。ただ、日本国内で反韓感情が深まり、韓国を訪れる日本人観光客が減る場合、ある程度相殺することもありうるだろう。

また、韓国資本が日本で企業を設立することよりも、日本資本が韓国で企業を設立するケースが多い。昨年、韓国への外国人直接投資残額269億ドルのうち、日本からは21.4%を占めていた。

(イ・チャンギュン記者、2019年8月12日号。
編集部で原文を一部編集、改変しています)

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