快速と大差ない「特急」、料金に合理性はあるか 中央線、着席保証だけならライナーで十分?
料金はどうか(東京駅からの料金)。
八王子750円 グリーン1260円
特急おうめ 青梅 1000円 グリーン1510円
速達性は変わらず、料金だけ高くなり、本数は減り、運行区間も短くなり、デメリットが目立つ。メリットを挙げるとすれば、特急化により全面的にJRの予約システムによる事前予約が可能になったこと、E257系からE353系への車両の更新などである。
とくに50kmを超える特急おうめの東京―青梅間の料金引き上げは著しい。また、特急おうめ1号の立川―青梅間の所要時間は33分(立川23時14分発・青梅23時47分着)だが、これは同線の各駅停車の平均所要時間と同じ程度だ。とても特急とはいえない。
特急はちおうじ、特急おうめの所要時間をみると、特急料金は居住性と着席保証に対する対価といえる。混雑する大都市圏では居住性・着席保証に対して料金を払ってもいいと思う消費者は一定数いると思われるが、従来のライナーの位置づけが妥当に思う。
特別な料金不要の電車と速さが変わらないにもかかわらず、急行よりさらに高い特別急行料金を課すことは、消費者がその列車を速達性において著しく優良であると誤認する可能性もあり、そうなれば景品表示法上の不当表示のおそれも出てこよう。
特急料金には合理性・妥当性が必要だ
鉄道のサービスを市場のほかのモノやサービスと同一と考える立場からすれば、嫌なら乗らなければよいだけという意見だろう。握り寿司の上や特上に定義がある訳でもないし、金額をいくらにしようと、どのような内容にしようと寿司屋の自由だ。鉄道料金もそれと同じという意見もあろう。
一方、鉄道は公共交通機関であり、その料金を公共料金と捉えて、政府が決定に関与する立場からすれば、合理性、妥当性が求められることになる。現在、新幹線の特急料金は認可制であり、在来線特急料金もかつては認可制であったが、現在は届出制である。規制を緩めた形ではあるが、公共料金分野としての位置づけであることには変わらない。消費者目線でみると、JRの特急料金制度の検証が必要であると感じる。
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