快速と大差ない「特急」、料金に合理性はあるか 中央線、着席保証だけならライナーで十分?
特急料金には、新幹線の特急料金と在来線の特急料金がある。在来線の特急料金は利用する特急の区間によって、さらにA特急料金とB特急料金がある。また、普通車指定席を利用する場合の指定席特急料金はシーズン別となっており、利用する日によって通常期・繁忙期・閑散期に分けられ、料金が異なる。さらにJR各社によっても料金が異なる。
なお、JR東日本が全車指定席化を進めている特急ひたち、ときわ、スワローあかぎ、あずさ、かいじ、富士回遊、はちおうじ、おうめの特急料金は前述と異なる料金設定を行い、年間を通じて同一料金とし、乗車前に購入した場合の料金(事前料金)と乗車後に車掌から購入した場合の料金(車内料金)に差をつけた。これをみてみよう。
急行・特急料金を取る理由
そもそも速達列車である急行や特急で運賃のほかに料金を取る理由は何なのだろうか。
国交省のHPに「鉄道の運賃・料金について」というページがあり、そこでは以下のように説明されている。
1. 速達性に対する価値が大きいこと、
2. 施設やサービスが良好なこと、
3. 高速運転のための費用やサービスの高度化のための費用が増大すること
等が設定の要因となっています。
1.は消費者が速達性に対して経済的なメリットを享受できるから、それに対して料金を取るという考え方であるが、すべての特急について本当に消費者が経済的メリットを享受できるほど速達性があるのかは疑問である。
2.は列車の設備やサービスに対する料金という考えだ。通常、有料の速達列車は車両設備や座席が長距離・娯楽向きにできており、その使用の対価ということだ。
現在のJR特急の車両設備を考えた場合おおむね該当していると思われるが、東海道線の特急踊り子号は旧国鉄時代の1981年に運用を開始した特急・通勤通学対応併用車両(185系)で、その後シート等は改装されたとはいえ、快適とは言えない(今後、E257系に置き換えが検討されてはいる)。また、近年、JR各社は特急の車内販売を終了または縮小するなど、サービスの低下を指摘する声もある。
3.は高速運転を実施するための線路設備や車両費を消費者に負担させるという趣旨だ。高速運転のための車両開発や線路の整備等に費用がかかるが、逆に特急列車のほうが安く済むという考えもある。加減速を繰り返す普通列車より、一定速度で走る速達列車のほうが使用電力がかからないケースがあるだろうし、停車駅の少ない速達列車のほうが駅務費用もかからないと言えるからだ。
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