フェイスブックはもう「旬」を過ぎたのか? ユーザーの8割はいなくなる?
こうした結果を反映するように、1月29日に発表されたFacebookの四半期決算は過去最高を記録した。売上げは前年から10億ドルを積み増して25億8500万ドル。特に目立つのが、急速にモバイル比率を高めている点であり、広告収入に占めるモバイルの割合は53%と、半数を上回った。月間ユーザー数は12億3000万人で、このうち9億4500万人がモバイルデバイスからのアクセスとなる(関連:Mashable)。
モバイル利用と収益を急速に拡大させているFacebookは、その成果を十分に得ている。しかしそれでもAdobeのレポートでは、PinterestとTwitterとの比較において、Facebookよりもはやいスピードで成長しているとの指摘をしている。Pinterestは画像の収集という直感的な方法で、またTwitterは140文字+αというシンプルな情報単位で、それぞれ情報発信を行うタイプのサービスだ。
これらのサービスは人のつながり以上に、情報やその集合体とその流通を重視しており、Facebookのつながりが中心にあるモデルとは異なる。人の関係性から情報へ、トレンドの主役の移行が起きているとの仮説を考える事ができるだろう。
コミュニケーションはよりインスタントな方向へ、メディアは情報が主役へ。さらに主力となるアクセスデバイスはモバイルへ。もちろんFacebookもキャッチアップする事ができるが、トレンドは足早に、新しい方向へと動いている。
「自分らしさ」「つながり」の次のモデルとは?
インターネットの世代について、最近、考えることが多い。さまざまな分類があるが、たとえば5年刻みという時間で考えてみると、インターネットの普及が始まった1990年代後半、ビジネスによる変革と検索による世界が規定された2000年代前半、パーソナルメディアが花開き、ソーシャルメディアが台頭した2000年代後半、そしてインターネットがモバイル化した2010年代前半、という現在だ。
インターネット上に個人が登場し自由に振る舞えるようになり、その存在をお互いに認知し閲覧し合えるようになった。それがフェイスブックの現在の繁栄を作ってきた。人間関係に関連するさまざまなツールを置き換え、さらに「つながり」を明示的に記述した。
この先に訪れるのは、より自分らしく振る舞うこと、すなわち「Me」へのフォーカスとエンパワーという世界であり、ひとつのコミュニティではなく一人ひとりがコミュニティを持ち、それが相互に作用する世界となるだろう。
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