ジャニーズ「圧力疑惑」への対応に浮かぶ大疑問

証拠の有無は問題ではなく解釈が甘すぎる

「独占禁止法違反行為があったとして行政処分や警告を受けたものでもありません」というフレーズも同様で、それよりも世間に向けて「自社に反省すべきところはなかったか」を認める文章を最初に書いておくのが望ましい対応でした。

それどころか、最後に「とはいえ、このような当局からの調査を受けたことは重く受け止め、今後は誤解を受けないように留意したいと思います」というフレーズをつけたことで、自ら「反省の色なし」を印象づけてしまったのです。特に怒りの感情がにじむ「とはいえ」「誤解」というフレーズは、企業のクライシス・コミュニケーション(危機管理広報)としては避けたいものでした。

身の潔白を訴えるための内容を前面に出し、疑いに対する反省の意を後回しにしたこと。文章全体が短く、その後も取材や会見などでコメントしていないこと。現段階でジャニーズの対応が不十分なのは間違いないでしょう。

元SMAPの3人に言及しない違和感

これまでもジャニーズ事務所は、“圧力”に対する考え方に甘さが見られました。

どれだけ「圧力はない」と言ったところで、世間の人々はそう思っていません。たとえば、「元SMAPの3人が地上波のテレビ番組に出なくなった」「昔から他事務所の男性アイドルはなかなかテレビに出られない」などの疑いは、公正取引委員会うんぬんの前に、世間の人々にとっては周知の事実となっていました。

ジャニーズにしてみれば、「圧力の証拠となる直接的な言葉や文書はない」と言いたいのでしょうが、問題はそれらの有無ではないのです。世間の人々が「遠回しな言い方や無言の圧力をかけていたのではないか?」という疑いを持っている以上、芸能という人気商売をしているジャニーズには、それに向き合った丁寧な説明が求められるのです。

仮にジャニーズが圧力をかけていないことを証明したいのなら、「なぜ元SMAPの3人と所属タレントの共演がないのか?」に言及してもいいし、本当に誤解なら「むしろ今後は共演させたい」とコメントしたほうが、身の潔白を証明できるはずです。

もう少し言えば、「番組には出演しないのに、合い間に流れるCMには多数出演している」「なぜか彼らの出演映画やイベントだけテレビで紹介されない」という元SMAP3人の不自然な状況に対する見解を述べることが、何よりの対策になります。

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