やはり1位は東西線、首都圏の鉄道「最新混雑率」

JR・私鉄など83線区を独自集計しランキング

一方、混雑率が大きく下がったのは166%から155%へと11ポイント低下した東急大井町線。同線は2018年3月のダイヤ改正で急行列車を増発するとともに7両編成化しており、輸送力が約2000人分増加。利用者数も増えているものの、数字の上では大幅な混雑緩和が実現した。

2017年度は混雑率189%でワースト5位だったJR南武線も、5ポイント低下して184%に。ピーク時1時間当たりの輸送人員が4万1880人から4万860人へ、約1000人減ったのが理由だ。沿線の川崎市は2017年度以降、同線など市内を走る鉄道の混雑緩和に向けて市職員のオフピーク通勤に取り組むほか、市内企業にも参加を呼びかけている。

同市が公表した2018年夏の結果によると、南武線の最混雑区間である武蔵中原→武蔵小杉間でピークをずらした市職員は1日当たり平均265人。これに加えて民間企業の従業員も参加していれば、混雑緩和に一定の効果を生んでいるといえそうだ。

ハード面の対策には限界が

依然として多くの路線で続くラッシュ時の激しい混雑。データはあくまで平均値のため、乗る列車や車両によっては数字以上の混雑を感じている利用者も多いだろう。

国の交通政策審議会による東京圏の都市鉄道に関する答申(2016年)は、主要区間の平均混雑率を150%以下に、ピーク時の各路線の混雑率を180%以下にすることを目標としているものの、既存の鉄道ネットワークと運行サービスを前提とした2030年の需要推計では「平均混雑率を150%とする目標の達成も困難」という。

ただ、輸送力の増強には莫大な費用と長い時間がかかる。つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道は今年5月、車両編成を6両から8両に延ばす事業に着手すると発表したが、駅ホーム延伸などの工事完成には10年以上かかる予定だ。

首都圏への一極集中は今も続くものの、将来的な人口減少は避けられない中で今からインフラの増強に踏み切れる路線は限られる。ハード面での対策に限界がある中、混雑緩和のためには通勤時間をずらす、リモートワークの普及を進めるなど、利用者側の工夫や社会的な取り組みの必要性がより高まっている。

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