れいわ新選組は「日本新党ブーム」再来なのか 大手メディアが無視する「れいわフィーバー」

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山本氏の街頭演説には必ず募金コーナーが設けられ、どの会場でも演説の前後に聴衆が列をなしている。酎ハイ1杯を我慢して500円玉や1000円札を差し出す通りすがりの老若男女の表情には、「何かが変わる」ことへの切ない期待がにじむ。政界関係者も「これまでの選挙戦では見られなかった光景」(元国会議員)と首をかしげる。

「大きな音でお騒がせします。山本太郎と申します」で始まる街頭演説。ネット情報で集まってきた聴衆を相手に「生まれてきてよかった、といえる世の中にしましょうよ」と時に涙声で訴える山本氏への拍手と喝采は、「現場にいると、不思議な高揚感に包まれる」(選挙アナリスト)という。「激しい野次に警察官が圧力をかけるような首相の街頭演説とはまったく異質の雰囲気」(同)であることは否定できない。

「山本太郎は総理を狙います」

ただ、山本氏自身も「この盛り上がりが票に結びつくかどうかはまったくわからない」と分析する。れいわの比例区リストには山本氏も含めて個性豊かな9人が並ぶが、今回新設された比例区で優先的に当選できる「特定枠」の1、2位には筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の男性と重度障害のある女性の2人を充てた。

このため、党首の山本氏自身の議席維持は最終盤になっても困難視される状況だ。だからこそ、山本氏は「私が当選するためには、300万票以上が必要。2枚目の投票用紙に『山本太郎』か『れいわ』と書いてください」と絶叫している。

多くの予測のように、何とか100万票を超えてれいわが1議席獲得となっても、選挙後に山本氏は一市民に戻ることになる。ただ、「得票率2%以上」という公職選挙法上の要件を満たせば、れいわは政治団体から政党に格上げされる。その場合、山本氏は政党の党首として国政参加も可能となる。

選挙戦中盤の品川駅前の街頭演説で、山本氏は「1年以内に衆院選、3年後には参院選。山本太郎は総理を狙います」と拳を突き上げた。「ドン・キホーテも驚く大ボラ」(自民選対)ではあるが、山本氏が今回の参院選を「次」を見据えての戦いと位置付けていることも鮮明になった。

大方の予測どおり、今回参院選が与党圧勝に終われば、余勢を駆って安倍首相が年末の解散・総選挙に打って出る可能性も取りざたされている。その場合、山本氏が今回擁立した異色の候補者たちを、狙い定めた各地の小選挙区と比例に重複立候補させれば、「改めて台風の目になる可能性も十分」(選挙アナリスト)との見方もある。

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