与党優勢の参院選、関心は早くも「選挙後人事」

幹事長に菅氏、岸田氏は財務相起用説も浮上

ただ、「安倍政権を全力で支える」ことでは一致している3氏も、首相との個人的関係や政治理念、手法などは「三者三様」(自民幹部)だ。首相の長年の盟友で後見人を自認する麻生氏は、「首相の精神安定剤」(政府筋)とも呼ばれるが、前代未聞の財務省の公文書改ざん事件や老後資金2000万円不足問題で担当閣僚としての責任を問われ続けている。さらに相次ぐ失言、放言などへの国民的批判も重なって「安倍内閣の不良債権」(閣僚経験者)との指摘も少なくない。

また、首相が「政治的技術は最高」と持ち上げる二階氏もすでに80歳と高齢で、激職の幹事長としての体調も不安視されている。その一方で、保守色の強い野党議員の一本釣りなどによる強引な派閥勢力拡大で党内の反発も買っている。

対照的に、「内閣の黒子」に徹してきたことで党内での求心力が日増しに拡大しているのが菅氏だ。新元号発表をきっかけに、国民の間で「令和おじさん」として一気に注目度があがった菅氏は、無派閥ながら党内無派閥議員の半数以上を束ねている。ここにきて菅氏に近い無派閥議員による政策勉強会「令和の会」も発足し、麻生、二階両氏と肩を並べる党内実力者にのし上がっている。

目立つ政権運営をめぐる主導権争い

こうした状況の変化も反映して、現在の3氏の関係は「極めて微妙」(自民長老)とされる。安倍首相との距離では「いちばん近いのが麻生氏で、遠いのが二階氏。菅氏はその中間だが、首相への忠誠心はいちばん」(自民幹部)と評されている。

さらに、政界では「麻生、菅両氏の不仲説」も広くささやかれる一方で、二階氏は麻生、菅両氏と「あえて一定の距離を置いている」(自民幹部)とみられている。しかも、人気急上昇でポスト安倍の有力候補にも浮上している菅氏と、「年齢的にも政界引退間近」(自民若手)とされる麻生、二階両氏との政権運営をめぐる主導権争いも目立ち始めている。

安倍首相はこれまで、3氏を政権の骨格と位置付けることで、党内基盤の安定化を図ってきた。政治理念も手法も異なる3氏をまとめて政権に取り込むことで、党内の反安倍勢力の増大を防ぐ効果もあったからだ。内閣から離れて以降、反安倍の立場を鮮明にする石破茂元幹事長や、首相からの政権禅譲論が取りざたされる岸田文雄政調会長というポスト安倍の有力候補も3氏の陰に隠れる状況が続いており、「現在の安倍1強は、首相の指導力だけでなく、麻生、二階、菅の3氏の存在によって維持されてきた」(自民長老)とみる向きも多い。

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