『37歳での転職は可能か?』(37歳・男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。
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『37歳での転職は可能か?』(37歳・男性)
<相談者の悩み>
はじめまして。大手SI(システムインテグレーター)でSE職を務める者です。今年37歳になります。転職は5年前に一度、大手電機系列のSI企業から、今の企業に移ってきました。業務内容は大きく変わりませんでしたが、現在の職場ではより顧客に近い、専門的な業務を担当しております。
今の会社ではグループリーダーを務めていますが、これより上のプロジェクトマネージャーに上がるのは非常に狭き門で、実力経験はもちろん、運頼みの部分も大きいのが実情です。
しかも、このあたりの世代はかなり人員がだぶつき気味で、自分は上に上がれそうな気がしません(自分ではむしろ優秀な方だと思いますが)。もし仮に今のリーダーのまま年を経てしまうと、45歳を越えたら現場の第一線についていけなくなるのは目に見えています。今はまだ余裕がありますが、この先オフショアなどでコスト削減が進めば、人材価値の無い、平の中高年SEなんて、いつ切られるかわかったもんじゃありません。
いや、もし定年まで面倒を見てもらえるとしても、ずっと今のポジションで同じ業務を続けていくと考えると、気分が萎えます。地位でも担当業務でも、もう少し上流に行ってみたいという希望は強く持っていますから。
そこで再び転職を考えるようになったわけですが、人材紹介会社に登録し、条件がマッチする求人を見てみると、なかなか思うような求人が少ないのが実情です。非常に小さな会社だったり、逆に年収が下がったり--。紹介会社からは「年齢的にもこれがぎりぎり」と言われています。
そこで相談ですが、より上のマネージャー職へのキャリアパスを確保するには、今度どのような選択がありえるでしょうか?社内外を含め、可能性のあるアプローチがあれば、お教えください。