「エヴァ」新作の冒頭10分をあえて上映した背景

大規模イベント「0706作戦」で一部シーン公開

あれから1年。公開まで待ちきれないファンに向けて、この7月6日に大規模なイベントが行われた。それは、パリ・ロサンゼルス・上海・札幌・東京2カ所・名古屋・大阪・福岡という4カ国8都市で“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦”と題し、パリで開催中のイベント「JAPAN EXPO」内で行われたステージの同時中継を行ったのだ。

先出し映像の撮影は、報道陣にも許可されないのが通例だが、この日は大きな制限はなかった (筆者撮影)

『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニング主題歌で知られる歌手・高橋洋子の歌唱ステージや主人公・碇シンジ役の声優・緒方恵美らによるトークが主体だったが、その会場でなんと来年公開の本編の冒頭部分をまるまる披露する最新映像『シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT 1(冒頭10分40秒00コマ)0706版』の上映が行われたのだ。一部映像が上映されなかった会場もあったが、イベントの模様はLINE LIVEでも生配信された。

LINE LIVE含め150万人が視聴

その中の会場の1つとなる東京ミッドタウン日比谷のステップ広場には、入場整理券を求めるべく、早い時間から多くの観客が来場していた。あまりの人気に、急きょ予備スペースの整理券の追加配布が決定したほどで、最終的には日比谷会場だけで計1300人の観客が来場した。ちなみに今回のイベントの映像は、各会場のイベント来場者、屋外大型ビジョン視聴者、そしてLINE LIVEで視聴したファンの数を合わせると全世界で150万人、日本国内だけでも30万人が視聴したという。

日比谷会場の様子。早い時間から多くの観客が入場整理券を求めて集まっていた (写真:配給会社提供)

それにしても、なぜパリの「JAPAN EXPO」で、映画の冒頭部分となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版 AVANT 1(冒頭10分40秒00コマ)0706版』を発表することにしたのか。

配給元によると、「今回公開されるAVANTの舞台がフランスだったから」というのがその理由だという。実際、この日披露された冒頭の映像の舞台は廃墟と化したパリだった。そこでは新劇場版に登場するキャラクター、真希波・マリ・イラストリアスが操る8号機が、使徒と激しい空中戦を行い、エッフェル塔を豪快に破壊するさまなども映し出された。

この日の取材も異例だった。通常、こうした先出し映像をお披露目する際は「撮影一切禁止」をうたうのが通例であるが、この日はスクリーンショットと間違えてしまうような「画面いっぱいでの撮影」は禁止されたが、「観客の頭+スクリーンが一緒に写っているサイズであれば撮影可」。しかも10分間の映像内で、撮影NG箇所は一切なく、(常識の範囲内であれば)どのシーンを撮影することも可能な状態であった。

これまでもハリウッド作品やアニメ作品などで冒頭部分の数分をWeb配信し、「続きは劇場で」というスタイルをとる宣伝手法がなかったわけではないが、翌年公開予定の作品をこんな早い段階で、しかも世界各国のイベント会場で同時多発的にスクリーンに投影し、かつ報道陣はスクリーンの写真撮影も可能、と許可する宣伝手法は異例だと言っていい。

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