「人を殺さぬため」7年引きこもった男性の告白 もう1人の自分が語りかけてきて終わった
僕は18~25歳まで、7年間ひきこもった。その理由は、「自分が祖母を殺してしまうのではないかと思ったから」だ。
18歳の頃、僕は予備校に通うために愛知県の実家を出て、東京にある祖母の家に同居した。
祖母は亡くなった祖父からDVを受けていたようで、積年の恨みが僕に向いたのか、毎日こんなことを言ってきた。「人生なんてつまらない」「生きていたって何もいいことないよ」。
「あ、そう」と軽く受け流せればよかったのかもしれない。しかし、当時の僕は受験に失敗して落ち込んでいた。
祖母のネガティブな感情に心が支配されていった
そんなときに「何もいいことはない」と言われ続け、自分の心が祖母のネガティブな感情に支配されていくようだった。
そして祖母からの心理的な支配から脱出するために、僕は祖母に殺意を抱くようになった。
そんな気持ちを必死に抑え込み、祖母とは目を合わさないようにして生活していた。その後ほどなくして、愛知の実家に帰ることになった。
そして帰ってくるなり、僕は自室にひきこもった。祖母への殺意が、両親にも向くかもしれない。
そんな殺意にまみれた自分は、社会に出ないほうがいい。僕は、人を殺さないためにひきこもったのだ。
ひきこもっている間にしていたことは3つ。ゲームをするか、本を読むか、自問自答するか、それだけだった。
「どうして僕は生まれてきたんだろう」「なぜここにこうしているんだろう」「生まれてこなければよかったんじゃないか」。何度も同じことが頭をぐるぐる回った。