10年で利用者「伸び」1位、意外な大手私鉄の名前 16社の定期客・定期外客の増加率を比較

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4位は京成の12.9%増、5位は京急の11.3%増。京成は成田国際空港、京急は羽田空港のアクセス鉄道としての機能を持つ。来年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、インバウンド需要はますます増加することが予想される。その意味で空港アクセスを抱える鉄道会社にとっては追い風となる展開だ。

定期外のワースト1位は相鉄で1.5%減という結果だ。JRとの相互直通によって休日に都心で買い物をする利用者増など、今後に期待したい。ワースト2位は西日本鉄道の1.8%増。ただ、西鉄沿線にある太宰府は新年号「令和」のゆかりの地ということで、4月以降観光客が急速に増えている。令和効果による順位挽回なるか。

ワースト3位は西武鉄道の2.2%増、ワースト4位は京王電鉄の2.5%だが、西武は秩父、京王は高尾山という人気観光地を抱えている。その意味で、この順位は力不足。沿線の魅力活性化に向け、さらなる情報発信が必要だろう。

全体でも1位は阪神

最後に、定期と定期外を合計した輸送人員の伸び率も挙げておく。1位阪神、2位東京メトロは、定期、定期外とも好調とあって、断トツの伸び率だ。

関西ではすでに人口は減少期に入った。東京圏は2035年頃まで人口が増え続けるとみられているが、それ以降も人口が伸びるエリア、人口減が2035年よりも早く訪れるエリアと、濃淡は確実にあるだろう。鉄道各社は現在さまざまな沿線活性化の取り組みを行なっている。その積み重ねによって、10〜20年後の鉄道会社の勢力図を変えるはずだ。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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