レクサスにあえて「ミニバン」が加わった意味 「実用で使う」から「空間を快適に使う」へ進化

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トヨタは、永年にわたり“80点主義”の可もなく不可もない安心で壊れにくいクルマづくりをする自動車メーカーと思われていた。だが、多くの量販車種がそうであったとしても、時に斬新で革新的なクルマを市場に出し、消費者に従来にない喜びを提供してきた歴史もある。

そもそも、「80点主義」という言葉もその意味から言葉を一部省いて伝聞された経緯がある。もとは、初代カローラを開発した長谷川龍雄主査の「80点主義プラスα」という開発概念にある。あらゆる性能において80点を超える完成度でありながら、さらにプラスアルファの価値を持たせ顧客を喜ばせるという趣旨だ。

時代のニーズをくみ取ったクルマ

これまでにないクルマの発想としていくつか例を挙げると、1970年に誕生した初代セリカでは、フルチョイスシステムという注文の仕方を導入した。これは、それまでのスタンダードとかデラックスといったグレード分けではなく、顧客の好みに応じて、エンジンや内装を選び、注文することができる。

オーダーメイドというほど個別の特注とはならないが、ある程度の装備の中から好みの組み合わせができるイージーオーダーのような販売手法だ。もとは、1964年のアメリカ・フォードの「マスタング」で採り入れられた方法であり、それをセリカに導入したのであった。

1990年のエスティマでは、それまで前席下にエンジンを搭載するキャブオーバー式ワンボックスカーから、同じ前席下でも搭載するエンジンを72度横に傾け、室内空間を大きく広げるミッドシップ配置を採用した。その後のミニバンの登場で、エスティマも前輪駆動となってゆくが、初代エスティマの存在はワンボックスカーの空間の利用に新鮮な価値をもたらした。

同じく1990年に誕生したセラは、エンジン排気量1.5Lの小型車でありながら、ガルウイングドアを備えるスペシャルティカーである。

ガルウイングドアといえば、1970年代のスーパーカーブームを牽引した、イタリアのランボルギーニ・カウンタックなど、高価なスポーツカーでしか経験できないドアの開閉法であったが、セラは新車で160万~170万円程度で買える小型車である。これによって、ガルウイングドアが実は狭い場所での乗り降りに便利であることを広く知らしめた。

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