夜間のイルミネーションをホワイトで統一したことも特徴だ。正確な色を見せるという目的もあるが、派手な色を用いた一部のプレミアムブランドへの対抗という意味も伝わってきた。
ファストバックは視界に難がありそうに見えるが、実際はAピラーを細くしており、ワイパーをボンネット下に配置したことも効いていて、前方向はむしろ優れていると感じた。後方については、ミラーで見える範囲は同等をキープしたという。室内空間はこのクラスの平均レベルで、身長170cmの自分なら後席にも楽に座れる。
インテリアカラーはブラックを基調に、セダンはホワイト、ファストバックはバーガンディのレザーを用意した。バーガンディはブルゴーニュの英語読みであり、ワインレッドに近い落ち着いた色調だった。
遮音やオーディオへのこだわり
遮音についても、マツダ3では独特の研究成果を取り込んでいる。単に静かにするのではなく、心地よさを重視するという方向性で、入力の振動とそれにより発する音のタイムラグが大きいと不快になることを突き止め、穴を減らすとともに、鉄は音を減衰しないので、特殊な樹脂を使用して減衰をしたという。
こうした空間に対応して、オーディオにもこだわった。「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」と名付けたそれは、低音を担当するスピーカーは指向性が気にならないので、前輪とキャビンを離したスカイアクティブ・テクノロジーで余裕が生まれたドアの前に埋め込み、中高音を担当するスピーカーはドア上方とピラー根元に取り付け、反射音ではなく直接聞かせるようにした。サウンドデザインと呼んでいい取り組みだ。
これ以外にBOSEのシステムも用意しており、スピーカー数はオリジナルが8個、BOSEが12個と差はあるのだが、BOSEは彼らの考えに基づいて音作りをしており、人によって好みがあるので、上下関係とは考えていないとのこと。言葉の向こうに「BOSEに負けない」という気持ちがうかがえた。
走りについては、人が自分の足で歩いているかのような走りを目指したスカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー、ディーゼルとガソリンの良さを兼ね備えたというスカイアクティブXエンジンなど、こちらも話題に事欠かないが、走り出す前からここまで語れるというのは、ベースモデルが210万円台のクルマとしてはすごい。あえてマツダ3と車名まで変えてきた理由が理解できた。
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