「ホットケーキ繁盛店」に学ぶ、仕事の基本4原則 「差別化、経験価値」ビジネスの本質、学べます

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2つ目の基本戦略は、ホットケーキを「モダンなものに進化」させ、「新たな価値」を付加することです。

「味」だけでなく「姿形」も追求する

【2】ホットケーキを「モダンなものに進化させる」(「新たな価値」を付加する)

「ありふれていないホットケーキ」にするための手段は、「味」だけではありません。その「姿形」をありふれていないものにできれば、「こんなホットケーキ見たことない!」と必ず歓声が上がります。

ホットケーキは誰もが「同じようなイメージ」を持っています。

こんがりきつね色のものが2枚重なり、ちょこんとバターがのっていて、メープルシロップをかけて食べる。それが一般的なホットケーキのイメージでしょう。

そんな人が、湯島にある「みじんこ」のホットケーキを初めて見たら、間違いなく驚くでしょう。うっとりするほどの芸術的なフォルム、造形美に感動します。

「みじんこ」のホットケーキ(撮影:今 祥雄)

みじんこのホットケーキは、完全なる円形と縁の直角にこだわっています。ナイフを入れることをためらうほどの美しさは、これまでのホットケーキの概念を覆すモダンなホットケーキといえます。まさに「ホットケーキの進化系」です。

同様に、「ホットケーキの聖地」と呼ばれる大山の「ピノキオ」、鎌倉の老舗「イワタコーヒー店」のホットケーキも、その造形美で高い人気を誇っています。

ホットケーキはパンケーキと異なり、生クリームやフルーツなどでデコレーションをしません。極めてシンプルで、直球勝負の食べ物です。

でも、そんなシンプルな食べ物でも、いやシンプルだからこそ、その「姿形」の美しさを追求し、ありふれたホットケーキにはない新たな価値を付加できれば、「ありふれていないホットケーキ」にすることができるのです。

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