「子どもに英語を習わせたい親」がしがちな誤解 何のために英語を習わせたいのか
子どもの学びには自身のモチベーション(動機)が必要です。「面白いから」「楽しいから」といったモチベーションでもいいですし、「外国の人と話したいから」「英検に受かりたいから」といった具体的な目標でもいいでしょう。目標を達成した後に、次の目標やモチベーションを持つことができればいいのです。
英語だけでなく外国語は短期間で身に付くことはありません。表面的に決まり文句を身に付けることは短期間でもできるでしょうが、それでは「英語が話せる」ようにはなりません。長く学んでいくうちに挫折しそうになっても、子ども自身がモチベーションをキープすることが必要です。
そのためにも自らが学ぼうとするプログラムを選ぶといいでしょう。時には親が寄り添って、モチベーションを維持することが必要なこともあります。その際は、親はアドバイスする程度にすべきで、上から教え込んだり、押し付けたりすると逆効果になります。
「英語は英語で学ぶ」のはアリなのか
あるとき小学校4年生のRちゃんが次のような発見をしました。「日本語では『赤』っていうけれど、英語にはいくつかあるよね。Red、Scarlet、Rosyはどれも赤だよね」。もちろん日本語にも深紅、バラ色などといった表現がありますが、Rちゃんは3種類の英語の赤を知ってから、それら日本語の表現を調べてみたそうです。
少し前にピコ太郎の「apple pen」という歌がはやりました。これを聞いた小学校3年生のKくんは「apple penはリンゴの形をしたペンで、pen pineappleはペンの形をしたパイナップルだよね。そんなのないよね~、ヘンだよね~(笑)」と発言していました。これはとても大切な気づきです。Kくんは日本語でも英語でも同じ構造があることに気づいているのです。
このような気づきは初歩的なものですが、子どもは単語レベルだけでなく、文の語順や構造などに日本語と英語の違いを気づくことがあります。自分が普段使っている日本語との違いに気づいたり、どうしてそのように使うのだろうと考えてみたりするのです。「なぜ」「どうして」と自ら思考することは学びの基本です。
外国語を学ぶ場合、子どもは母語(日本語)をベースにして外国語(英語)について考えます。2つの言語の違いに気づき、「なぜ」「どうして」と思考し、創造的に自分の表現を生み出していく過程が実はとても重要なのです。
例えば「英語は英語で」などと英語オンリーで学ぶと、ある一定の単語や決まり文句は覚えますが、それ以上に創造的に言葉を操っていくことはできません。なぜならそれらは教えられた、与えられた英語表現であって、自分で思考して創造的に言語を使用するのではないからです。学校で英単語をたくさん習って知っていても、英語を話せない大人が多いのはその証拠でしょう。
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