「死に体」の朴槿恵大統領を助けた?安倍首相 靖国参拝は、内政不振の韓国政権に「格好の材料」
おりしも、韓国では、南スーダンに派遣されている韓国軍部隊に日本の自衛隊が銃弾1万発を提供したことについて、日本側の姿勢に強く反発しており、韓国メディアでは「政治利用している」とまで指摘。安倍政権への批判を強めていたところだった。「その延長線上に、今回の靖国神社参拝をとらえるのではないか」(小針教授)。
内政がうまくいっていない朴政権に利用される懸念
日韓関係においては、参拝のタイミングも悪かった。前出の徐支局長は、「来年(2014年)4月に予定されているオバマ米大統領のアジア歴訪を狙って、首脳会談をはじめ日韓関係の改善を試みようとしていた」と言う。今回の参拝で、「韓国側から日韓関係を改善する行動は取れない」という悲観的な見方が支配的だ。
その一方で、韓国側からは、何か日本に対抗できる具体的な反撃手段をとれるか、といえば、それはまた別の話だ。「結局は、強い言葉や内容で日本を批判するしか、手がないのでは」(ソウルの有力日本人研究者)。「竹島問題では、軍隊を竹島近海に派遣したり、上陸訓練を行うという手がある。だが、靖国神社に関してはそのような方法は取れないし、策はない」(同)。
むしろ、内政がうまくいっていない朴政権が、「国内の混乱から目をそらすために(靖国神社参拝を)利用することもある」と小針教授は指摘する。
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