朴政権、右往左往続き評価は「期待以下」 韓国・朴槿恵政権の経済政策1年の評価

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経済運営が、厳しい批判にさらされる朴大統領

民生経済回復と創造経済の実現。2012年12月19日の大統領選挙で1577万票を獲得し当選した朴槿恵大統領が、今年3月に発表した政府経済政策の大きな方向性だ。朴槿恵政権の任期5年、1826日のうち15%が過ぎた。政策実行から実物経済に影響が出るまでの時差を考えると、朴政権の成果は期待以下だ。もちろん、現在の経済指標だけを見て評価するのは尚早かもしれない。だが、景気回復が見られる先進国経済と比べると期待通りとはとうてい言えない。曖昧な経済政策に右往左往する経済関連部署。「おまえのせいだ」と責任のなすり合いを続ける国会と行政府。国民の生活と企業環境に先行き不透明感がさらに増している。

政府の言う「景気回復」は希望事項?

「何かをやった、というものが必要ですよね」
 朴槿恵政権1年の経済政策を評価してほしい。そう質問した経済学者と民間経済研究所の研究者からは、きまってこんな言葉が返ってきた。韓国金融研究院の研究員は「新政権に評価できるだけの経済政策があるのか」とさえ言い切った。「評価を留保する」という回答も多く、失笑で返す経済学者もいた。朴槿恵政権の経済チームに対しては、冷笑的な反応が多かった。ある私立大学経済学部の教授は「あってもなきがごとし、ではないか」と言った。ある民間経済研究所の研究員は、「政府財政、通貨政策を評価するにはまだ早いような気がする。景気の方向性や心理を変えるだけの果敢な政策は見えていない」と述べた。彼は、「政府の経済ラインはそれなりに努力しているが、まだ企業や家計など経済主体の信頼を得ていない。経済は心理が強く作用するのに、政府だけが経済状況をことさらよい方向に見ているようだ」と指摘する。

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