相互直通で複雑度を増す「ダイヤ改正」の難しさ 実施日は同じでも「発表日」がバラバラな事情
東京のもう1つの地下鉄である都営地下鉄(東京都交通局)も同様で、こちらはダイヤ改正の日そのものもバラバラだ。
浅草線のダイヤは昨年の11月1日発表・12月8日改正、新宿線のダイヤは1月22日発表・2月22日改正、三田線のダイヤは2月1日発表・3月16日改正である。東京都交通局によると「相互直通運転を行っている関係で各線のダイヤ改正日が異なります」という答えが返ってきた。
確かに、都営地下鉄のダイヤ改正日は乗り入れ先の路線と同じだ。浅草線は京成電鉄や北総鉄道、京急電鉄などとダイヤのうえで一体的に運行しており、新宿線は京王電鉄と一体となっている。三田線に至っては、東京メトロ南北線・東急目黒線・埼玉高速鉄道に配慮しなくてはならない。
ちなみに、唯一他社線との乗り入れがない大江戸線は3月28日にダイヤ改正を行う。発表は3月5日だった。
乗り入れで複雑化するダイヤ
東京メトロは、今回のダイヤ改正日こそ各線同一だが、発表のタイミングが路線ごとにずれたのは都営地下鉄と同じ理由である。JR東日本常磐緩行線・小田急電鉄と一体となって運行されている千代田線、JR東日本中央・総武緩行線・東葉高速鉄道と一体となって運行されている東西線は、JRと綿密にやりとりしなくてはダイヤ改正ができない。
ほかの各線も、日比谷線は東武伊勢崎線や東急東横線(乗り入れはしていないが車両基地の関係で調整が必要)、半蔵門線は東武伊勢崎線や東急田園都市線との調整が必要だ。有楽町線・副都心線に至っては、西武鉄道・東武東上線・東急東横線・横浜高速鉄道(みなとみらい線)と4社が関わってくる。
南北線は、今後さらに調整が複雑になるだろう。現在でも都営三田線・埼玉高速鉄道・東急目黒線と調整する必要があるが、2022年度下期には東急線と相模鉄道が直通運転を開始する予定で、相鉄からの列車も乗り入れることになる。すると相鉄はもちろん、2019年度から相鉄と直通運転を開始するJR東日本のダイヤも少なからず影響してくる。
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