海藻用いた「脱プラ品」に世界が注目するワケ インドネシアで公害と貧困の同時解決狙う
海や川にあふれ出すプラスチックゴミ。2016年1月のダボス会議では、現在の状況を放置すると、2050年までには海中のプラスチックゴミの量が魚の量を上回るとの推計が明らかにされた。
世界でもとりわけ問題が深刻なのがインドネシアだ。中国に次ぐ世界第2位の海洋プラスチックゴミ排出国で、市場に出回る魚の約25%が微細なプラスチック粒子で汚染されているという。プラスチック粒子には、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有害な化学物質が付着する危険性があり、人体への影響も懸念されている。
そこで登場したのが、創業わずか3年のスタートアップ企業だ。
「プラスチックゴミをゼロにする」
「プラスチックに代わる製品を開発することで、プラスチックゴミをゼロにしたい」
インドネシア人の若手経営者で、Evoware(エヴォウェア)社の共同創業者デイビッド・クリスチャン氏(26歳)は自社開発したプラスチック代替製品を手に取って、将来の夢を語った。
原材料となるのが、インドネシアの海で豊富にとれる海藻だ。現在、約1200人にのぼる零細な漁民を組織化し、従来よりも高い価格で海藻を買い取っている。カップなどのプラスチック代替製品の製造に際しては、孤児院ともタイアップし、児童労働にならないように配慮しながら、作り方を指導している。自社では、ホームレス経験者やそれまでゴミを拾い集めていた非熟練の労働者も採用している。
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