「純烈」友井の発言がDV気質を強く物語るワケ 記者直撃と謝罪会見に見えた強すぎる自我

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もう1つ、DV加害者の典型的な特徴が見られたのは、自らの弱さを語るフレーズ。

友井さんは「なぜ手をあげるのか?」という質問に「自分が弱いんだと思います」。「原因はけんかの延長か?」という質問に「口論したり、けんかの延長なんですけども。もともと怒りっぽい性格で、それを抑える自分の強さがなかったと思います」とコメントしました。

「弱い」「怒りっぽい」などの自覚があるのに放置して改善しない。それどころか「自分はこういう人間なんだ」と口外して、受け入れさせようとする。だから、それを理由にして暴力をふるってしまうのです。とくにDV男性はダメなところを見せて「彼は私がいなければダメな人だ」と母性をくすぐり、受け入れさせるタイプが多いので気をつけたいところ。また、普段の会話でも、「俺って怒りっぽいところがあるんだよね」「弱いからさ」などのフレーズを使う人は要注意です。

会見が長くなるにつれて、友井さんはチラチラと本音を漏らすようになっていきました。「A子さんが流産した原因は暴力か?」と聞かれると間髪をいれずに、「それは違います」と強めの返事。記者に「そこまで言うのか?」とムッときたのではないでしょうか。DV加害者はせっかちな人が多く、話が長くなるほど怒りっぽくなりやすいところがあります。

そのほかにも、「新たにD子さん、E子さんが出てくる可能性は?」と聞かれて、「D子さん、E子さん……。いやあ、ないと思いたいですが……はい」という苦しい返事。さらに友井さんの母親が謝罪したことを持ち出されると、「今回の件で母親にも話しましたし、実家にも報道の方が行ったりしまして。母親はまだ働いているんです。どんな思いで会社に行かせているのか……」と話しました。

自分のふがいなさだけでとどめておけばいいものを「そこまでしなくてもいいでしょ」というメディア批判をにおわせたことで、謝罪会見の意味合いが薄れてしまったのです。

平成30年間でDV加害者予備軍が急増

会見終了間際、友井さんは「純烈での思い出は?」と聞かれて、「……やっぱり紅白ですね。念願の紅白に立てたことと、あとは歌える場所がデビュー当時はまったくなくて。キャバレーを回らせていただいたときの思い出だったり。数えきれないくらい楽しかったこともいっぱい記憶はあるんですけど、つらかったときのほうが濃く自分の中では残っています」とコメントしました。

この日の発言は率直なものが多く、うそはついていない様子は伝わってきましたが、だからこそ自我の強さが浮き彫りになってしまった感が否めません。素直と言えば素直なのですが、苦労話は謝罪会見で話す必要がないものであり、「やはり自分に甘い」「自己陶酔している」と言われても仕方がないでしょう。

最後に補足としてDV加害者が使いがちなそのほかのフレーズをあげておきましょう。「何でそんなことをするんだ」という価値観の押し付け、「俺にはお前しかいない」という思い込みによる束縛、「誰と? どこに? 何のために?」という嫉妬のフレーズ。

これらのフレーズには基本的に男女の区別はありません。つまり、男女どちらとも、被害者や加害者になる可能性があるということ。まもなく平成が終わろうとしていますが、30年の間にここであげたフレーズを使うDV加害者予備軍がかなり増えました。だからこそ、一人ひとりが気をつけることで、DVから遠ざかるようにしておきたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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