携帯電話OSの覇権をかけた熾烈な闘争《特集マイクロソフト》

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 今年も各通信キャリアから続々と新しい携帯電話端末が発表され、にぎわいを見せている。しかし、業界を取り巻く環境は厳しい。「昨年度の販売台数は5000万台超だったが、販売方式が変わって買い替え期間が伸び、今年度は4000万台を切る」(田崎堅志・ガートナージャパンバイスプレジデント)と見込まれている。

携帯電話の成長鈍化は日本国内だけで起こっているわけではない。景気後退の影響を受け、世界の端末販売台数は2007年の11・5億台(前年比16%増)から08年は約12・4億台(前年比8%増)へと、成長が鈍化する見通しだ(ガートナー調べ)。が、成熟化したかに見える市場も、その内実は大きな構造転換の最中にあり、成長のポテンシャルを秘めている。

「インターネットの中心はパソコンから携帯の時代になり、携帯はインターネットマシンに進化する」(孫正義ソフトバンク社長)。インターネットマシンとはスマートフォンのこと。調査会社ストラテジー・アナリティックス社は、今後5年で携帯出荷台数のうちスマートフォンが3分の1を占めると予測している。

アイフォーンがブームの火付け役

北米ではカナダのRIM社が1997年に発売した「ブラックベリー」が法人向けにヒットするなど、スマートフォン市場は一定の規模を持ち、10年にわたる歴史を刻んでいる。それに対し、日本では通常の携帯電話端末が多機能化したため、フルキーボードが搭載されたスマートフォンは、あくまで「ガジェット好きのオモチャ」。なかなか主流の商品には育たなかった。

しかし、アイフォーンの登場により市場は一変した。アップルは07年6月に北米でアイフォーンの販売を開始。今年7月には日本を含む世界22カ国で第3世代通信にも対応した後継の端末を発売。指でタッチして操作する独特なユーザーインターフェースにより、幅広い層へとスマートフォンユーザーが広がるようになった。

アイフォーンは「iPodの機能がある」「フルブラウザでネットを楽しめる」など優れた機能が備わっているのだが、それよりも、単純に「タッチスクリーン式のため触っているだけで面白い」という点が、アピールポイントになった。

アイフォーンのヒットを受け、追随者も現れた。台湾HTCが製造し、世界的にヒットしているタッチダイヤモンド、タッチダイヤモンド・プロだ。タッチダイヤモンドシリーズは、同一ブランドでありながら日本の複数キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、イー・モバイル)から投入されるという画期的な製品で、通信キャリア主導の垂直統合モデル(OEM)が幅を利かす時代ではありえなかったこと。まさにキャリアの意識や戦略も変わりつつあることを象徴している。

アイフォーンに続く火付け役になりそうなのが、グーグルの無償OS「アンドロイド」を搭載したスマートフォンだ。10月に北米で発売された第1号のアンドロイド搭載端末「T-モバイルG1」を製造したのは、やはりHTC。来年はHTCに続き、さまざまなメーカーがアンドロイド端末の製造に乗り出す見通しだ。

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