日本の書店がどんどん潰れていく本当の理由

決定的に「粗利」が低いのには原因がある

このように、雑誌流通が書籍流通を支える内部補助の構造によって、日本では書店に毎日、1冊から書籍を届ける流通体制が維持され、さらに書籍の流通費用を低く抑えることで、書籍の価格が諸外国に比べて極めて安く設定されてきた。ちなみに、書籍だけで成立させている先に挙げたアメリカやドイツでは、書籍の価格は日本に比べると1.5倍から2倍以上する感覚だ。

雑誌市場縮小が書店と取次に打撃

かつて、日本の出版市場は「雑高書低」と呼ばれていた。雑誌の販売額が書籍を大きく上回っていたためだ。

出版業界の売り上げがピークを迎えた1996年には書籍の販売金額1兆931億円に対して、雑誌の販売金額は1兆5633億円と1.5倍ほどの規模だった。効率のよい雑誌の売り上げが大きかった当時、出版業界の収益性は高く、それが書店の旺盛な出店の原動力にもなっていた。

しかし、その後、出版物の販売量は減少の一途をたどる。特に、雑誌はその頃拡大し始めていたインターネットや、携帯端末の普及に伴って急激に市場が縮小。2017年の雑誌の販売額は書籍の7152億円を下回り、6548億円と最盛期の3分の1ほどに縮小してしまった。

このことが、雑誌の収益に頼っていた中小書店の経営と、雑誌で巨大流通網を回してきた総合取次の経営を直撃した。

書店、とりわけ駅周辺や商店街にあった雑誌販売を中心とした従来型の「街の書店」が急速に姿を消した。今年2月、個性的な品ぞろえなどで多くのメディアから注目されつつ閉店した幸福書房(東京・渋谷区)も、雑誌と書籍の売上比率が逆転したことが、経営に大きな打撃を与えたという。

大手総合取次も日本出版販売とトーハンという上位2社や一部専門取次を除き、業界3位だった大阪屋(2014年に債務超過が発覚し楽天などが出資)、4位の栗田出版販売(2015年に民事再生手続きを開始し、大阪屋と経営統合)、5位の太洋社(2016年に自己破産)が次々と経営破綻するに至った。

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