ドン・キホーテの独特な陳列に惹かれる心理 そこに買ってもらうためのメッセージがある

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たとえばペットフードはどうでしょうか。ペットフードは、たまたま見つけて「帰りに犬に買って帰ろうかな」と衝動買いを誘発する商品ではないはずです。

もちろんアダルトグッズは意図的に死角に置かれています。これは不意に入り込んで不快な思いをさせないためもあるでしょうし、男性客あるいはカップルが品定めをしている際に、ほかのお客から見られたくないはずだからです。

ドン・キホーテの陳列でうまいのは、曲がり角

ドン・キホーテの陳列でうまいのは、曲がり角にあります。たとえば、左に曲がるとしましょう。すると、真っ先に目に入るところ(★)に売れ筋や注目商品を置きます。いや逆にいえば、売れ筋や注目商品が目に入るから左に曲がるのです。

ドン・キホーテの売れ筋商品の陳列方法(図:『ドン・キホーテだけが、なぜ強いのか?』より)

次に、売れ筋や注目商品につられてきた来店客にほかの選択肢を与えます(◎)。代替商品などです。そうすることによって、お客に立体的な商品紹介が可能となります。この陳列について、ドン・キホーテが意識的にやっているのか、あるいは、無意識的経験則にしたがっているのか、断言はできません。ただ、漠然と陳列するのではなく、お客の立場で考え続けているのは確かでしょう。

また、陳列でいうと、同じ棚のなかでは右側が有利とされます。つまり右側が売れます。右利きの人が多いからかもしれませんし、視線が右側にとどまるからだともいわれます。ドン・キホーテでいえば、必ずしもではありませんが、棚のなかでは右側に推奨品、左側に代替品が陳列されています。また定番品からプレミアム品に移行させる狙いの場合もあります。

また、面白いのは、ドン・キホーテの店舗を見ると、棚の設置自体に工夫がなされていることです。たとえば、通常であれば、棚と棚が平行に並んでいます(1-1)。

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