結婚10年「元専業主夫」が33歳で離婚した理由 外で稼ぐ妻との力関係や不貞に悩んだ果てに

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朝ご飯を作って、子どもとゆかりさんに食べさせて、トイレ・風呂の掃除、洗濯、炊事、食洗器を回して、長女を寝かしつける。その後に昼食、そして夕食作り、その家事のすべてを光一さんは担っていた。そして、その合間に自らの仕事をこなした。日中多忙なゆかりさんに代わって、ゆかりさんの洋服やメイク道具などの買い出しなどもすべて自分が行った。

「家事に関しては、たまに妻が手伝うこともあったんですけど、妻がやるのと、俺がやるのはレベルが違うんです。妻はそれまでずっと実家暮らしだったし、家事は親がやるのが当たり前の環境で育ったから、慣れてないんですよね。たとえば、妻がごはんを作っても、作りっぱなしで片付けはしてくれないんです。

それだったら、もう全部自分がやったほうがいい、となって、結局自分で全部やっていた感じですね。でも、俺は大学時代から1人暮らしをしていたから、その延長で、当たり前にすべての家事をやっていました」

家事と育児と仕事の両立には苦労したが、それでも何とか3人の生活は順調だった。しかし、4年後に、第二子の息子が誕生すると、光一さんの余裕はなくなっていく。ゆかりさんが出産後わずか3カ月で職場復帰したため、2人の子どもの子育てと家事の負担がすべて光一さんに圧し掛かるようになった。

家事と育児の板挟みに

さらに長女は、重度のアトピー性皮膚炎のため、毎週のように病院通いが続いた。近所の小児皮膚科は3時間待ちも当たり前で、それだけで半日が潰れてしまう。夜に娘がアトピーのかゆみで目が覚めてしまい、あやして寝かしつけるために起きていなければならず、どうしても昼間は眠気に襲われる。

当時まだ赤子だった長男は、日中の仕事中でもお構いなしに、泣き出してしまう。その度に、光一さんは、仕事を中断せざるをえなかった。長女が幼稚園に入ると少しだけ手が離れたが、それでも夏休み、冬休みなどの長期休みになると、つきっきりで長女の相手もしなくてはならず、集中力が削がれ、ほとんど仕事にならなかった。

家事と赤子の長男、そして、長女の育児に時間が取られて、光一さんの家での仕事量はどんどん減っていった。それまで、生活費は家賃も含めてすべてお互い折半していた。しかし、しだいに光一さんの負債のみが、ゆかりさんへの借金という形で膨れ上がっていった。正社員であるゆかりさんの年収が400万円から500万円と上がっていったのに対して、光一さんの年収は当初の400万円から200万円にあっという間にダウンしていた。

「冷蔵庫に、その月の生活費の内訳が貼ってあるんですけど、それが、自分だけ払えなくて、赤字が膨らんでいきましたね。小さい子どもがいると、どうしても仕事に集中できなくて、仕事量が減ってしまう。お互いの財布からお金を出し合うんですけど、生活費の足りない分を妻に借りるようになっていったんです。」

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