迷走リクシル、「2度目の社長更迭」の深刻度 創業家がCEOに復帰、プロ経営者をまた更迭

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だが、LIXILの営業担当者からは「顧客との取引現場のことを何もわかっていない素人の発想。導入前から100%失敗するとわかっており、今の厳しい経営状況は事前に予測できた」との声が上がっており、瀬戸氏肝いりの制度に社員からは手厳しい評価が下る。

新社長も前途多難

瀬戸氏に代わり同社の経営を担うのは、来年4月に社長就任予定の山梨社外取締役だ。富士フイルム、経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー、イオンの電子マネー事業責任者を経て、2016年からLIXILの社外取締役を務めている。

同氏に対しても内部からは、「瀬戸社長と同じで、業界のことも現場のこともわかっていない人。打ち出す施策も的外れなものだろう」(中堅社員)と、期待よりはあきらめムードが漂う。

会見では一言も話さなかった山梨新社長。失敗が続く海外案件や新取引制度への対応など、混乱する現場社員や取引先に対して、今後どんなメッセージを発していくのか。

藤森、瀬戸、山梨と現場から遠いプロ経営者が3代続くLIXILの経営は、迷走が続いている。

林 哲矢 東洋経済 記者

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はやし てつや / Tetsuya Hayashi

日本経済新聞の記者を経て、ハーバード大学(ケネディスクール)で修士号。『週刊東洋経済』副編集長の後、『米国会社四季報』編集長。

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