『早期退職募集に応募すべきか』(45歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。
CASE:31
『早期退職募集に応募すべきか』(45歳男性)
<相談者の悩み>
はじめまして。いつも楽しく拝読させていただいています。
今年45歳になるしがない会社員です。中堅のSI企業で営業職を担当しています。当社は一昨年から、45歳以上対象の早期退職制度を開始しました。応募すれば、まず間違いなくそれなりの割増退職金付がもらえるシステムです。
実は現在、その募集に応募しようかと思っています。
うちの会社は、もともと部品系中心のメーカーでしたが、8年前に業態を転換し、それまで一部門だったシステム開発に特化した経緯があります。私は以前のハード時代の生き残りですね。正直、現場ではそれ以降に入社してきた若手~中堅が中心で、私のような生え抜きは少数派です。それでも養ってくれている会社に文句は言えないのですが、この機会に何か新しいことを始めたいと感じています。
もちろん不安もあります。人材紹介会社に登録はしてみたものの、現在の待遇を維持できる求人は、今のところ無いとのことです。独立と言う手もあるにはありますが、悲しいことに営業事務だけを20年続けてきた自分には、とりたてて芸がありません。
そこでうかがいたいのですが、45歳以上のごく普通のおじさんが早期退職に応募して、その後、成功した人間はどれくらいいるのでしょうか?
成功といっても、ごく普通の暮らしを、やりがいを持ってこなせる程度の話だと思ってください。