『早期退職募集に応募すべきか』(45歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
<城繁幸氏の診断>
診断:『40代以上にとって、転職は茨の道』
前にもちょっと書きましたが、40代以上の社員に対して、意図的に離職率を上げようとする企業は少なくありません。決して能力云々ではなく、年齢で人の価値が決まる世界では、単純にコストが高いからなんですね。その会社の早期退職制度も同じ趣旨でしょう。
勤続年数が長ければ長いほどキャリアが上積みされる仕事なら問題無いのですが、そういった職人的な仕事は日ごとに減っているのが実情です。そういう意味では、今の20代の20年後の方が、ずっと過酷なサバイバルレールとなっているはずです。
では実際に退職したとして、どのようなライフプランが考えられるでしょうか?
一番手っ取り早いのが転職です。それまで身についていたキャリアを活かせれば、さらなるキャリアパスが開ける可能性もあります。
ただ、大方の企業はやはり今の会社同様、年齢で決まる賃金体系を採っているはず。となると、40代以上の人間が応募して採用される割合は決して多くはありません。
実際、早期退職に応じた中高年の中には、そのまま正社員の地位に戻れないまま、非正規雇用労働者として働く方が少なくないのです。
次に考えられるのは、ご指摘の通り独立ですね。これまでの経験を活かして起業するケース、または新しい仕事にゼロから挑戦するケースなど、選択肢は無限でしょう。当然、リスクも無限ですが、年齢や経歴といったしがらみからはフリーです。