大企業を新規開拓できない営業に欠けた視点 優秀な営業は訪問先を「選り好み」していない
そして、これらのハロー効果は、営業マンにもよく起こります。規模が大きくネームバリューのある会社などには、営業しても採用してもらえないと勝手に判断してしまい、初めから営業しないことがあります。
逆に、名前も知らない中小企業には、営業しても大した金額にならないからと、訪問先の候補にすらあがらないこともあります。いずれにせよ、ハロー効果が営業マンのあるべき姿を歪めてしまっていると言えます。優れた営業マンはそれを逆手にとり、つねに新規顧客の開拓をしているのです。
実際に私は、かなり有名なパチンコメーカーにダメ元で営業してみたら、実は、私が売り込もうとしている「スイッチ」を探しており、トントン拍子に採用されたことがあります。
また、以前取引先から紹介された無名の中小企業がありましたが、大した売り上げにならないからと、私は営業に行きませんでした。後に、その会社との取引は大した売上金額にならないことがわかりましたが、実は会社のその関連会社に大きな需要があることを知ったのです。気づいた時にはすでに遅く、競合他社がしっかりと新しく入り込んでいました。
今回私が伝えたいのは、「どうせ無理だから」と頭で考える前に、まずは行動に移し、自分で実際に動いてみて、あらゆる状況を把握しながら営業活動をすることが重要だということです。
「わかっているよ!」という声が聞こえてきそうですが、本当にあなたは、上記のようにきちんとした営業がつねにできていますか?
きっと耳が痛い方も多いでしょう。では、どのようにしてこの「ハロー効果」を営業活動に取り入れればよいのでしょうか?
お客さまに会うまで、何が起こるかわからない
現代の営業マンは、無難な仕事ばかりをする傾向にあります。あまり無理をしません。ですが、正攻法では門前払いになったとしても、別の突破口を探すことで、状況が変わることがあります。つねに、思い切った顧客の開拓にチャレンジする姿勢を持ち続けてください。それにはやはり、「ハロー効果」を意識して、認知誤差に気を付けながら営業をすることが大前提となります。
ポイントは、旧態依然とした根性論ではなく、いかに現代風に新たな切り口を見つけて営業の突破口を開くかです。それを日々考えることが重要になってきます。
ここでは、私が行ってきた5つの考え方をお伝えします。
1:実際に足を運ぶ前から判断しない(あきらめる理由を探さない)
これは基本中の基本ですが、何もしていないうちから無理だと決めつけないことです。やってもいないうちから、「○○はできない」と言う人は多いですよね。営業の基本は、お客さまに会うことです。世間的に攻略が難しいと思われている優良企業であっても、話を聞く前から勝手なイメージで判断してはいけません。まずは、「どうしたらお客さまに会えるか?」を考えてください。
2:大企業は、1回の訪問だけではすべてはわからない
大企業を1回訪問して感触がないと、「無理」「需要がない」「ハードルが高い」などと判断してしまいがちです。ですが大企業には、たくさんの部署があり、やっていることがそれぞれ違います。1回の訪問では、たくさんの部署の中の1つを知ったに過ぎません。「無理」「需要がない」などと判断するのは、せめて、複数の部署を知った後でも遅くはありません。いろいろな部署の人に会うまで、あきらめないでください。