40代女性が料理家に転身、NYで成功したワケ 「世界で活躍する日本人」の共通点とは?

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とはいえ、女性が仕事をしながら家事もこなすのは、大変なときもあるだろう。そんなときひでこさんは、できるだけストレスをためないやり方で、仕事と家庭を両立しているという。

「忙しいときはピザの宅配をオーダーしたり、お部屋のクリーニングを外注したりするなど臨機応変に対応しています。今は、便利なサービスがたくさんありますしね」(ひでこさん)

さすがニューヨーカー。考え方も合理的だ。

コルトンさん夫妻には「こうあらねばならない」というものがないという。たとえば、どんなに忙しくても「妻だから家事も完璧にしなければならない!」と思っていると苦しくなってしまうけれど、彼らは決してそうは思わない。その場の状況に応じて、さまざまな文明の利器を利用しながら、楽しく仕事と家庭を両立しているのだ。

そして気になるのが、夫婦間のお金の支払い。お2人はどのようにされているのだろうか。

「アメリカは男女平等。女性も働いて家庭に貢献するのがスタンダードなので、彼が家賃を出すなら、食費やガス代、教育費は私が出すなどあらかじめ役割を決めています」(ひでこさん)

ここでも役割分担をしっかり決めているので、「自分ばかり払っている」などの不満もないのだ。

 

日々の「愛情表現」を欠かさない

とても自立されているお2人。でも相手に助けが必要なときは、支え合っているという。

「一度きりの人生、本当にやりたいことを仕事にしようと会社を辞め、私は40代で料理家として起業しました。以来、食材の準備や撮影のセッティングなどをすべて自分でやらなければならないので大変なんですが、そういったこともジョナサンがサポートしてくれるんです。彼は、夫でありパパであるだけでなく、仕事のパートナーでもあるんです」(ひでこさん)

さらにひでこさんは、ニューヨークや日本だけでなく、スペインや香港など世界中の料理イベントに出演することも多い。そんなときも、ジョナサンさんは快く送り出してくれ、家事や育児を引き受けてくれるのだそうだ。

「彼は私の仕事を応援してくれるし、のびのび仕事をさせてくれる。相手がジョナサンじゃなかったら、この仕事を続けられていなかったと思っています。今、こうして楽しく働けているのは彼のおかげです」(ひでこさん)

基本的にはお互い依存せずに、自分のことは自分でやる。でもいざというときは、助け合う。そんな夫婦の強い絆はどういったところから生まれているのだろうか。

「相手を尊敬して、愛情を与え合うこと。それがなくなってしまったら、ただの他人になってしまう。僕たちは普段から愛情表現を欠かさないので、愛のベースができているんだと思います。だから、もし相手が困っているなら助けたいと、お互い思い合えるのかもしれませんね」(ジョナサン)

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