シンカリオン×エヴァ「神回」誕生の秘密

「まるでエヴァ本編」制作陣が明かすこだわり

いざ制作するとなると、第31話はクリエイターにとって恐怖以外の何ものでもなかった。エヴァファンが満足できるだけのクオリティを出さなければいけないからだ。

シンカリオンの速杉ハヤト(左から2番目)とエヴァンゲリオンの洞木3姉妹。奇跡のコラボが実現した©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS ©カラー
シンカリオンの一場面。ラーメンをめぐるアスカと綾波レイのやりとりに涙したエヴァファンは少なくないはず©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS ©カラー

そんな第31話でまず登場したエヴァンゲリオンのキャラクターが、「洞木ヒカリ、コダマ、ノゾミ」という3姉妹である。ヒカリはエヴァンゲリオン本編で活躍するが、コダマ、ノゾミは設定上の存在にとどまり登場はしていない。500 TYPE EVAがデビューする際に初めてビジュアル化されたという経緯がある。アニメで動いたのは今回が最初だ。

ヒカリ役を演じた声優の岩男潤子さんが3姉妹の声を1人で担当した。年齢が離れた3姉妹全員の役という無茶な依頼にもかかわらず、収録を終えた岩男さんは「ありがとうございます! とても楽しかったです!」だったと満面の笑みだったそうだ。

ヒカリだけではない。「碇シンジ役の緒方恵美さんからは『シンジだったら、こういうときはこんなセリフを言うと思う』と、たくさんのアドバイスをいただきました」と根岸氏は言う。

「ウルトラ怪獣」がヒントに

そして、第31話に登場する敵の姿は一度見たら忘れられないだろう。エヴァンゲリオンに登場する使徒のすべてを詰め込んだような、巨大怪物体「キングシトエル」。原案者は、なんと神村氏なのである。

最初、シンカリオン側は使徒サキエルを敵として登場させたいと提案していた。しかしグラウンドワークスが返した答えは「新しい巨大怪物体を作りましょう!」という大胆なものだった。

巨大怪物体「キングシトエル」。名前に「キング」が付いていることから過去最強か?©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS ©カラー

「ウルトラ怪獣世代なので」と、神村氏は熱弁をふるう。「せっかくだから合体怪獣にしたかったんですよ。ウルトラシリーズでは、ここぞというスペシャル回になると過去の強い怪獣をあわせた合体怪獣が出てくるじゃないですか。で、そういう合体怪獣には、たいてい名前に『キング』がつきます。なので、キングシトエル!」。

その提案を受けたシンカリオンのクリエイターたちは本気で巨大怪物体を作り出した。各部位には見覚えがある合体使徒が動くさまを見て、エヴァファンは感極まったに違いない。

サブタイトル画面のこだわりも忘れてはいけない。実はあの画面、神村氏が制作したものである。エヴァンゲリオンのテレビシリーズのテロップを担当したのは神村氏だった。その思い出の仕事について「やらせてください」とお願いしてみたら、了承が得られたという。

シンカリオンサイドもエヴァンゲリオンサイドも、お互いにダメ元でお願いしていることが快諾されてどんどん形になっていく。無理かもしれないけれどやりたいことの結晶がシンカリオンとエヴァンゲリオンのコラボだった。

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