中古車業界でイノベーションを起こしたい ガリバーインターナショナル、次の一手

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実は、クルマに”興味がない”

撮影:今井康一

――創業当時、羽鳥社長は学生だったのでは?

父がガリバーを創業したとき、私は大学3年生。父からは大学までは行かしてやるが、卒業しても会社は継がせないと言われていた。自分でやっていけとも言われていたので、ガリバーに入るつもりはまったく無かった。

実は、大学当時もそうだったが、今でも”車そのもの”には興味がないんです(笑)。もちろん、車名や車型などは詳しいが、父が中古車屋をやっていて、子供の時から車に接していたので見飽きたのかもしれない。

福島で1店舗目を出し、その後、フランチャイズで青森に1店舗ができ、少しずつ増えていく中で、当時、北海道の札幌にいた私に、父から電話がかかってきた。

「北は青森から南は福島では格好がつかない。札幌で事務所でも何でもいいから店を開けろ」と。

とはいえ、車に興味がなかったので、半年以上は断り続けた。そうこうしているうちに就職活動の時期がやってくる。その時、多少なりともフランチャイズビジネスには興味があったので、勉強のつもりで2、3年やってみようと思った。

高校時代の同級生を誘い、大学4年生のときに札幌にガリバー店を構えた。始めたのはいいが、私の社員番号は「12番」。先輩社員は11人。研修も無ければ、資金も限られる。まさに荒波の中の船出だった。

でも、イノベーションを起こしたい

――クルマに興味がないのに、今では社長ですが……。

アパレル業界はすごい勢いで進化している。外食も競争が厳しい中でイノベーションが起きている。小売業ではセブン‐イレブンやイオンがいろんな取り組みをしている。日本に残された大きな流通市場のなかで、唯一進化していないのが中古車市場だ。

車を適当に40~50台並べて、プレハブを建て、のぼりを立てて売っているだけの店が多い。全国でも地域によって車の使われ方やニーズがまったく違うのに、いまだに売り方は変わらない。

車そのものには興味が無いが、進化しない中古車市場の流通モデルに関心を持ち、そこでイノベーションを起こしたいという思いが、今の立場につながっている。

――国内の川下展開に加え、本格的な海外進出も打ち出している。

これまで、米国に直営4店舗のみにとどまっていたが、ようやく海外進出という名にふさわしい規模で舵をきることができる。

実は07~08年に中国やロシア、インドに行こうとした。時代の流れで中国行かないといけない雰囲気を感じて、正直焦っていた。が、リーマンショックもあり計画は白紙に戻した。我慢の時期を経て、海外進出の礎もできてきた。そして今回、ASEAN(東南アジア諸国連合)に進出することにした。

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