都営三田線「8両化」乗り入れ各社はどう動く? 新車は近畿車輛が落札、目黒線も駅改修進む

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東急目黒線に関しては、現在工事が進められている、相模鉄道と東急電鉄の直通運転を行うための新線「相鉄・東急直通線」の動きも関係してくる。この路線が開業するのは2022年度下期の予定で、その際には日吉駅から東急線へ乗り入れが行われることになっているが、目黒線への乗り入れが有力視されている。

東急線への乗り入れに向けて開発された相模鉄道の新型車両20000系(撮影:尾形文繁)

相鉄が直通運転に向けて導入した新型車両の20000系は今のところ10両編成のみだが、将来は8両編成を導入することを計画しており、10両編成は東横線に、8両編成が目黒線に乗り入れるのではないかと考えられる。奥沢駅の8両対応は、その際に必要なことでもある。

また、現在三田線で使用されている6両編成の車両も、修繕工事で相鉄線直通対応工事を行うことになっており、相鉄との直通運転を意識していることがわかる。東京都交通局は三田線の混雑への対応だけでなく、将来の相鉄線との(東急線を介した)直通運転も考慮して8両化を進めようとしているといえるだろう。

南北線はどうなる?

そこで気になるのが東京メトロの動きだ。

もし南北線が8両編成に対応しないとなると、相鉄から目黒線に乗り入れた8両編成の列車は三田線にしか入れない。また、三田線の8両化が進む中で南北線車両が6両のままであれば、目黒線への乗り入れが敬遠されることも考えられる。

南北線の車両である9000系は試作車が1990年、量産車は1991年から製造されており、古い車両はもうすぐ製造から30年になる。「相鉄・東急直通線」の開業に合わせた新車の投入や、9000系でも比較的新しい車両(2009年製造)の8両化は考えられるのではないか。だが、9000系のうち初期に製造された車両は2016年以降、6両編成のままでリニューアルが行われており、当分は使い続けられることになるだろう。

東京都交通局・東京メトロ・東急電鉄の協議の中で、8両化に対して前向きな考えが生まれ、将来の相鉄線との直通とも合わせてポジティブな結論が出ることを期待したい。

小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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