都営三田線「8両化」乗り入れ各社はどう動く? 新車は近畿車輛が落札、目黒線も駅改修進む

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東京都交通局によると、三田線の8両化については相互直通運転先の東急電鉄、東京メトロと協議しているとのことだ。7月末の段階では「するかどうかはまだ決まっていない」とのコメントだったが、「入札を行った新車は8両編成の車両なのでは?」と聞くと、「8両編成」とのことだった。

8両編成の新車をいつから運行するかは、他社と話し合っているとのことである。ちなみに、もしも協議が不調となった場合、8両編成の新車は三田線の西高島平―白金高輪間のみの運行にするのか、あるいは2両を減車する(6両にする)のかは決まっていないという。

目黒線・南北線も構造的には可能

相互直通相手の路線を運営する鉄道会社にも話を聞いてみた。東急目黒線は奥沢駅を除いてすでに8両編成に対応できる構造になっており、奥沢駅では現在、8両編成対応のための工事を行っている。

東急電鉄に同駅の工事はいつ終わるのか聞いてみたところ、「まだ(終わる予定は)示せない」との答えが返ってきた。さらに「その際に新車を導入する予定はあるのか?」と聞いたところ、未定だという。だが、奥沢駅のホーム延伸工事が終われば目黒線は8両編成が運転できるようになる。そうすれば、三田線から8両編成が乗り入れることは可能となる。

ホームドアが設置された東京メトロ南北線の駅。現在は6両のみの運転だが、駅ホームは8両編成分の長さがある(撮影:梅谷秀司)

では、南北線を運行する東京メトロはどうか。同社に「三田線や東急目黒線に合わせた8両化は行うのか?」と聞いたところ、「現時点では(その計画は)描けていない」と回答があった。ただし、東京メトロ南北線の駅施設は8両編成に対応できる構造だ。

これらのことから各線の現状を整理すると、8両編成化に動き出した三田線に対して、東急目黒線は奥沢駅ホームの工事が完成すれば8両編成の運転が可能、東京メトロ南北線は8両編成化については様子見だが施設面は対応できる、ということになる。

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