衝撃!アマゾンはこんなところまで荷物を運ぶ 標高3524メートル地点にも毎朝配達
ランドルやほかの配達人は、バイクやスクーターで消費者に荷物を届ける。冬になって雪が深くなると、たまに車を使うこともある。それでも、レーの狭いでこぼこ道を走るには、また、あちこちにいる牛をよけるには、普通は四輪車よりも二輪車のほうが都合がよい。
この日、ランドルが最初に向かったのは、アマゾンでよく買い物をするスカルジング・ドルマの家だ。ベッド用のシーツとアイシャドーを届けた。
注文後、通常5~7日で届く
ドルマは、衣料品からキッチン家電まで、さまざまなものをアマゾンで買い、これまでに1500ドルほどを使ったという。化粧品や衣類はレーにある店舗では選択肢が少ないので、アマゾンで買うのが人気だ。
商品は、注文してから通常5~7日で届く。大都市のアマゾンの顧客には2日で届くからそれに比べると遅いが、郵便局が担当していた頃は1カ月程度かかっていたので、それよりは速くなった。
アマゾンにとって幸運なことに、地元の兵士と僧侶はアマゾンの得意客だ。僧侶のシンリー・オザーはバックパックを手に入れた。これまでには、スマートフォンのケースやバイクのパーツなどを買ったという。
レーは一見、アマゾンのようなグローバルなEコマース企業にとって、魅力的な市場であるようには見えない。注文に不可欠なインターネット・サービスは、気候のよいときでも頻繁に切断されるし、冬には何週間も、何カ月もまったく使えなくなることがある。州都のスリナガルの基幹回線が、雪でダメージを受けるためだ。
しかし、アマゾンは長期的な視点で考えた。Eコマースは世界に広がりつつあり、インドは大きな戦いの場となっている。インドでは、オンライン・ショッピングを始めたばかりの人が多く、購入先をまだ固定していないのだ。ウォルマートは最近、インドの大手Eコマース企業、フリップカートの経営権を取得すると発表した。これによって、インドの消費者の財布をめぐって、アマゾンと正面から戦えるようになる。
レーの顧客に飛行機で荷物を輸送していたら、アマゾンはそれ自体では利益を上げることはできないかもしれない。しかし、ムンバイやデリーなどの人口の多い都市部で上げた利益で、もっと離れた地域のサービスを賄えると考えている。