文科省エリート局長「受託収賄事件」の不可解 誰がスキャンダルをリークをしたのか

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東京医科大学は2004年に心臓手術を受けた患者の死亡事故が発生したほか、2005年度から2007年度にかけて博士号学位審査に携わった教授の多くが大学院生から謝礼として現金を受け取っていたことが発覚するなど不祥事が続いた。

2012年には同大茨城医療センターが8000万円にも上る診療報酬を不正請求していたことで、同大茨城医療センターは保険医療機関の指定を取り消されている。

科研費の獲得に意欲的だった

こうした不祥事は補助金を受けるときにマイナスになりやすく、実際に東京医科大学の財政事情はかなり厳しかったようだ。その反面、東京医科大学はここ最近は科研費の獲得に意欲的に取り組んでいた。

たとえば2013年度には140件だった科研費の採択件数(新規・継続)は2016年度は191件となり、2017年度には213件まで急伸した。科研費の金額も2013年度は2億6052万円だったが、2017年度には4億6436万円と急増している。

中でも「学長のリーダーシップの下、優先課題として全学的な独自性を大きく打ち出す研究に取り組む私立大学に対し、施設費・装置費・設備費と経常費を一体的に支援」する「私立大学研究ブランディング事業」については、東京医科大学は非常に重要なことと位置づけていたに違いない。

もっとも2016年度は申請校数が198校で、選定されたのは40校のみ。非常に厳しい競争率の中で、東京医科大学は落選した。一方で新設された獣医学部が問題になっている加計学園は、岡山理科大学と千葉科学大学で選定されている。

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