猛暑!クラフトビールに注目が集まる必然 世界も注目する「伊勢角屋麦酒」の目標とは?
知人を頼って大阪のビール職人のもとで修行し、周りを説得して設備投資に踏み切り、いざビールづくりに意気込んでみたものの、最初の5年間は苦境が続いた。
当時は、大手メーカーがつくるビール以外はまったく消費者に認知されない状況。また、規制緩和を受けて、いわゆる「地ビール」といわれるビールが全国的に急増はしたものの、その一方で品質の低い「地ビール」も多く流通され、消費者の信頼の獲得までは至らなかった。
「技術的な裏付けもなく、規制緩和の追い風だけでつくられたビールが多く存在しました。その影響もあって個人がつくるビールは、高くて美味しくないという声まであがっていました。それが悔しくて、徹底的に品質にこだわったビールをつくろうという気持ちが強くなりました」
その後、ビールづくりの技術に更なる磨きをかけた鈴木さんは2003年に、遂に世界大会でグランプリを受賞する。翌年以降も受賞が続き、品質への確かな信頼が得られるにつれ、全国からの注文も急増し、経営は安定。いまや需要に生産量が追いつかず、新工場を構えることが決まっている。
蓄積した酵母やホップなどのデータを他社にも共有
クラフトビール業界全体の技術の底上げにも尽力。世界的なビアアワードの審査委員会に携わるほか、自社で蓄積した酵母やホップなどのデータを他社にも積極的に共有。若い職人の研修も受け入れている。
「過去の苦い経験があるので、クラフトビールの世界が本当に素晴らしいものであることを丁寧に広げていきたい。いまクラフトビールがブームと言われていますが、日本ビール市場の1%にも満たない流通量なわけで、まだまだ全体で盛り上げていく必要がある。ビールの一つの選択肢として認知され、生活に豊かさを与える存在になるまで全力で取り組み続けます」
普段のビールの楽しみ方から1歩踏み出せば、確かな品質とより幅広い美味しさが待っているクラフトビールの世界。今年の夏は、お気に入りのクラフトビールを見つけて、楽しんでみてはいかがだろうか。
(Writer : TAICHI UEDA / Photographer : SATOSHI TACHIBANA)
所在地 伊勢角屋麦酒 麦酒蔵(びやぐら):三重県伊勢市神久6-428
伊勢角屋麦酒 内宮前店:伊勢市宇治今在家町東賀集落34
伊勢角屋麦酒 外宮前店:伊勢市本町13-6
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