トップ10位まで見ると、6位が会員制倉庫型ディスカウントストアを展開する米国コストコ・グループの日本法人、8位が多国籍・総合コンサルティング大手のアクセンチュア社日本法人、10位は株式の3割以上を米国アルタバ社(旧ヤフー社)が保有する、インターネットポータルサイト等を展開するヤフーといったように、製造業や保険会社以外の業種に属する会社もランキングの上位に入っている。
11位以下には製薬企業が多く名を連ねた。米国ファイザーの日本法人、スイスのロシュ・グループの中外製薬、同ノバルティスファーマ社日本法人、米国メルク社傘下のMSDなどの製薬会社などだ。
非製造業では、米国系のプルデンシャル生命保険、アフラック(現アフラック生命保険)、および富士火災海上保険(現AIG損害保険)、カナダ系のマニュライフ生命保険などの生命保険・損害保険会社が上位に並ぶ。人口が1億人超で乗用車普及率が世界平均の3.8倍(日本自動車工業会調べ)の日本は外国保険会社にとっては依然として魅力的な市場なのだろう。
成長著しいIT関連の外資系企業の従業員数ランキングを見てみると、ヤフー以下では40位に日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(インド)、44位に日本オラクル(米国)にランキングされ、日本マイクロソフト(米国)は51位だ。韓国のNAVER社の日本法人で無料通話・無料メールアプリのLINEは87位となっている。
5年前の顔ぶれと比較すると?
トップ10について5年前の2012年版のランキングと比較すると、1位の日産と2位のジブラルタ生命は従業員数を減らしたものの順位は不動。2012年の3位はドイツ・フォルクスワーゲン社と資本提携していたスズキだったが、提携解消で非外資系企業となった後、鴻海傘下となったシャープが同位にランクインした格好だ。
一方、2012年に12位のコストコホールセールジャパンと14位のアクセンチュアがそれぞれ従業員を3000人増やし、それぞれ順位を6つ上げた。またネット事業を拡大したヤフーも1990人増やして、22位からトップ10入りしている。
従来から上位にあったメーカーや金融企業は、日本の人口減に伴い今後も経営のスリム化による従業員減は続くだろう。その一方で、日本の小売業界やライフスタイルの革新に寄与している外資系企業や、事業拡大を進めるIT関連の外資系企業は今後も日本で人員を増やすことが期待できる。
現在、2018年7月中旬の発売に向けて『外資系企業総覧2018』を調査・編集中であるが、次号の外資系企業の従業員ランキングでその変化をお伝えできるかもしれない。
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