発明家が異例の勝訴 アップルに賠償命令 今後の焦点はクリックホイール特許の価値算定

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アップルのデジタル音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」。この大ヒット端末を象徴するのが「クリックホイール」と呼ばれるユーザーインターフェース(UI)だ。2004年発売の「アイポッド・ミニ」(写真)で初めて採用し、今でも使われ続けているこのUIは、リング状のタッチセンサーとクリックボタンを組み合わせたもの。この絶妙な二つの円形により爽快な操作感を実現した。

 そしてこれは、おそらく、日本の個人発明家であるS氏が発明したものだ。
 クリックホイール以前、アップルはモデルチェンジのたびにUIを変え、試行錯誤を繰り返していた。そこでS氏は、自分の発明をアップルに売り込んだ。アップルは強い関心を示したが、ロイヤルティなどの条件面で折り合わず交渉は決裂。ところが、その後、クリックホイールを採用したアイポッド・ミニが発売されたため、自分のアイデアを無断で使用されたと感じたという。

S氏の出願特許は書類不備などにより成立せず、2005年の再出願で成立した。特許成立の前後にアップルと交渉を行うものの、やはり条件が折り合わず、特許侵害による損害賠償請求の訴訟に突入する。アップルも特許非侵害訴訟を起こすなどして対抗。裁判の進行を遅らせるアップルの牛歩戦術もあり、戦いは6年7カ月に及んだ。そして、9月26日、東京地方裁判所はアップルの主張を退け、特許侵害を認めた。3億3664万1924円が、判決で算定された損害賠償額だ。

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