日産「ノート」が発売5年目なのに好調な理由 フリート販売や自社登録の動きも見逃せない

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現行ノートは2012年7月にデビュー。1200㏄直3エンジンに絞り込みながら、スーパーチャージャー仕様まで設定され、注目された。しかし実際に販売を始めてみると、特にインテリアの質感がいまひとつであったり、LEDやHIDといった“明るいヘッドライト”がメーカーオプションとしての設定すらなく、販売現場でキャラバン用のオプション品を急遽共用させるなどチグハグな部分も目立ち、販売状況はいまひとつ精彩を欠いていた。

ところが2016年11月に実施したマイナーチェンジと同時に「レンジエクステンダーEV」なる「e-POWER」搭載車を追加設定するとたちまち様相は一変。トヨタ「アクア」やホンダ「フィット」などのライバル車だけでなく、登録車で常勝しているプリウスを脅かす存在にまでなった。

筆者は自販連統計をベースにノートがマイナーチェンジを実施した、2016年11月から直近の2018年2月までの月別販売台数と、2014年11月から2016年2月までの販売台数推移を調べてみた。

2016年12月から2018年2月までの平均月販台数は1万2081台、一方、2014年11月から2016年2月までの平均月販台数は8124台となり、その差は3957台。「マイナーチェンジだけでなくe-POWERが加わったので、その分上積みがあったのでは?」と分析することもできるが、それでも発売から時間の経った車種が月販平均で約4000台も増やすことはあまり例がない。

ノートがよく売れている3つの要因

ここからはノートがよく売れている3つの要因を見ていこう。まず現有日産小型車ユーザーの代替え車種としてノートに集中していることが挙げられる。かねがね日本市場にはそれほど関心がないといわれる日産において、日本国内販売を支えているのは軽自動車の「デイズ」シリーズ、ミニバンの「セレナ」、SUVの「エクストレイル」、そしてノートとされている。

現行ノートはデビュー当初から上級仕様のメダリストシリーズがラインナップされている。このメダリストシリーズは、かつての「ティーダ」ユーザーからのノートへの代替えの受け皿として設定されている。ティーダは世界市場レベルではすでに3代目となって、いまも世界各地で販売されているが、日本国内ではシリーズ唯一5ナンバーサイズの初代のみが2004年から2012年の間販売され、大ヒットした。販売を終了した2012年から6年経過しているものの、いまも多くの人がティーダを愛用している。

また「キューブ」は現行モデル登場から10年が経過、「ウイングロード」も現行モデル登場後13年が経過しているが、両車ともに一向にモデルチェンジの気配がなく、代替えのタイミングを逸しているユーザーも多く、そのようなユーザーの代替えがノートに集中している。

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