高嶋ちさ子と草彅剛のCM出演がウケた背景

タイミングとキャスティングがヒットのカギ

2位以下には学割を訴求したCMが並び、auとSoftBankはどちらも“親子”をモチーフにしながらもアプローチは対照的だった。今回2位となったau「鬼ちゃんの親心」篇は、鈴木福演じる息子の下校を隠れて見守り、あまりの過保護ぶりに息子の怒りを買った鬼(菅田将暉)が「反抗期来たー!」とむしろ成長を喜ぶというストーリー。

これまでも、進路についてお互いを思い合ったり、入学式で親バカぶりを発揮したりと、「親子で笑おう」というキャッチコピーそのままの素直で温かい家族像を描き、視聴者の心を和ませている。

高嶋ちさ子の演技がハマり役に

 一方、竹内涼真演じる“学割先生”ことリョウマを主人公に展開する『SoftBank』のCMでは、「白戸家」の前に“モンスターペアレント”が登場。キーパーソンとなるこの役には、世界的バイオリニストの高嶋ちさ子を抜擢した。

ルールを守らなかった我が子のゲーム機を壊したり、怒りのあまり宿題を破ってしまったりと、実生活でも子育てにおける厳格さで知られる。CMでは高嶋が息子役の志尊淳、担任であるリョウマとの三者面談中に「毎日授業見に来ます」と宣言。すると白戸家の面々が「ウチ家族で来ちゃいますから!」と対抗意識を燃やし、一触即発の雰囲気に。それぞれの家族によるセルフ授業参観が開催され、両家族の行きすぎた応援ぶりにリョウマと志尊がやりにくさを覚えるという内容だ。

モニターの感想を見ると、「高嶋ちさ子がハマリ役」「親役がかなりいい!」などこのキャスティングが高評価だ。さらに「こんな親じゃなくて良かったと思った」「バイオリニストのあのお母さんはリアルだともっと怖いらしいので、CMは演技ではないと言っていたので、ますますおもしろい」という演技とも素ともつかない高嶋の怪演が効いている。

とはいえ、教育現場で実際に起こっている問題を題材に扱うのは十分な配慮が必要だ。あまりにリアルすぎると不快な印象を与え、企業の倫理観を疑われかねない。ヒートアップする家族に困惑したリョウマと志尊が「やりづらいな」と苦笑いを見せ、双眼鏡で様子を見ていた学校の先生(壇蜜)が「ありがたいけど迷惑ね」とさらりと言ってのけるあたりが、SoftBankのバランス感覚の良さだろう。

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