日産がパキスタンで生産販売を再開するワケ 「ダットサン」を2020年初めに投入
[東京 28日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は28日、パキスタンでの生産と販売を再開すると発表した。現地パートナー企業のガンダーラ日産が今後4年間で45億パキスタンルピー(約41億円)を投資。ピックアップトラック「ダットサン」を現地で生産し、2020年初頭から販売を始める。生産体制と販売網の整備により、現地で1800人以上の雇用を創出する。
パキスタンの人口は約2億人で、自動車産業はGDP(国内総生産)の約4%を占め、年間20万台以上の市場規模を持つ。自動車の所有が今後さらに広がる新興国市場の需要取り込みを目指す。
ダットサンのエントリーモデルを生産
インド、アフリカ、中近東を担当するペイマン・カーガー専務執行役員は、パキスタンについて「人口は多く、(車の所有率は)低い。成長には最適な規模の市場だ」と指摘。同国の新車販売は22年までに年30万台規模に増加すると予測しているという。日産の世界全体の売上高のうちインド、アフリカ、中近東は約6%を占めており、カーガー専務は22年までに担当地域の販売を倍増させたい考えだ。
セダン「サニー」の生産を10年に終了したパキスタン南部のカラチにある工場で、ダットサンのエントリーモデルを生産する予定。工場の年間生産能力は約6000台で、カーガー専務は「同じプラットフォーム(車台)をベースにして複数のダットサンモデルを生産し、投資の効率化を図る」と述べた。
パキスタンの乗用車市場は、スズキ<7269.T>を筆頭に、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>の日系メーカー3社が強く、同3社で9割以上のシェアを握る。パキスタン政府が16年に発表した自動車政策で部品関税の減免など優遇措置が取られており、仏ルノー<RENA.PA>や韓国の現代自動車<005380.KS>など自動車メーカー各社が相次いで現地生産に乗り出しており、競争は激化している。
(白木真紀、田実直美)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら