オリンパス、社員弁護士が会社を訴えた理由

中国での贈賄疑惑に端を発した異例の訴訟

B氏はこの意見書を本社の監査役に提出し、第三者による徹底的な再調査を要求。11月には、ある社外取締役と接触して問題の深刻さを説いた。

不正追及を続けたB氏に異動通告

が、その後、本社の法務部長と人事部長がB氏を呼び出し、政府・工業界への対応活動を担当する国内新設部署への異動を通告。「指導書」なる文書を読み上げて、法律事務所から意見書を取得した際の社内手続きに大きな問題があった、とB氏を強く叱責した。

「(監査役を通じて)意見書の存在を知った経営陣の私に対する怒りは大きかったと推察します。しかし、このような異動命令は到底、納得できません」。B氏はこんな内容のメールを海外の上司に送っている。

この異動命令にかみついたのが、冒頭の社員弁護士A氏だった。「報復人事の可能性が高く、公益通報者保護法に違反する」。同氏は社外役員全員のほか、複数部署の社員数百人にメールを送り、贈賄疑惑の再調査も求めた。こうした行為を会社側にとがめられ、今回の提訴に至った。

オリンパス側は「2017年に2度に渡って別の外部弁護士を交え再検証したが、最終報告書は妥当だった」とする。またB氏の異動については「業務上の必要性に基づく通常の人事の一環」と、報復人事を否定。こうした公式見解の下、これまで社外役員は目立った動きを見せていない。

当記事は「週刊東洋経済」3月3日号 <2月26日発売>からの転載記事です

一方、中国では蜜月だったはずのOSZと安平泰との関係に変化が生じている。食堂、清掃業務などの取引は続いているが、約束されていた寮の譲渡が凍結されたことに安平泰が憤慨、OSZに牙をむき始めたのだ。安平泰は早期の引き渡しまたは賠償金を求めてOSZを提訴。すでに寮を実効支配しており、こうした状況にオリンパスは頭を抱えている。

社員弁護士が起こした今回の訴訟を通じて、OSZを巡る贈賄疑惑の解明も新たな展開を迎えるのか。3月に始まる裁判の行方が注目される。

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