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ユーロスター「オランダ乗り入れ」意外な盲点 利便性向上は「片道だけ」の不思議

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ユーロスターの改札口は、荷物検査と出入国審査のため、つねに混雑している。列車の発着が重なると、改札の外まで行列ができる(筆者撮影)

だが、今回のアムステルダム延長運転でネックとなったのが、この出入国審査だ。英国―大陸間を行き来する乗客は全員必ず出入国の手続きをしなければならない以上、各停車駅にユーロスターのための専用審査場や待合室、プラットフォームを必ず設置しなければ乗り入れはできないことになる。

オランダ発ロンドン行きの場合、ブリュッセルでタリスからの乗り継ぎが必要になるのも、この点が関係している。

突貫工事は一部間に合わず

1月末、ロンドン―アムステルダム間のユーロスターが停車予定となっているロッテルダム中央駅1番線に、年明けから専用プラットフォームを建設する工事が開始されたというニュースが流れた。

普通、こういった工事はわずか数カ月で完了するものではなく、この時点では、ユーロスターの延長運転はまだ当分先のことだと考えるのが自然だろう。だが、工事開始のニュースからほとんど日も経たないうちに、今度はアムステルダムへの延長運転を4月から開始するとの報道があった。

近代的なロッテルダム中央駅。駅本屋に一番近い1番線に、ユーロスター専用プラットフォームを設ける予定(筆者撮影)

当初筆者はデマか、あるいは誰かが先走った誤報かと思ったものの、よく調べてみると、ロッテルダム中央駅のユーロスター専用ホームの完成は3月26日との記載があり、かなりの突貫工事ではあるものの、4月4日の延長運転開始には間に合わせる算段なのだろうと考えた。

しかし、ユーロスター社が発表したプレスリリースを確認すると、オランダからロンドンへは、タリスを利用したうえでブリュッセルでの乗り換えが必要と記載されていた。

突貫工事でロッテルダム中央駅に専用待合室やプラットフォームを設けることはできても、出入国審査場の設備まで完璧に仕上げるには、時間が足りなかったわけだ。

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【現状の乗り換えとあまり変わらない…?】

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