恋活アプリが単なる「出会い系」ではない理由 安全対策を強化、負のイメージが変わった

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機械学習によるマッチングサポート機能をウリにするケースも増えてきた。ペアーズでは各人のプロフィール内容や利用傾向(ログイン時間帯やサービス内の回遊の仕方など)をもとに、互いの相性をパーセンテージで表示している。同じ趣味を持つ人同士でも、思考や行動のパターンが違えばうまくいかない。そういったユーザー自身も認識しづらい部分をすくい上げるのがITサービスならではの強みだ。

サービスを運営する各社が取り組んできた安全対策も、イメージアップに一役買っているだろう。タップルではユーザーの自己紹介コメントや写真を目視で全件監視しているうえ、ユーザー同士が個別にやり取りしているメッセージでも1000にのぼるNGワードを設定、常時抽出して監視を行っている。グループ内の「アメーバブログ」で採用している監視基盤を応用した。

エウレカも今年に入り、一部を外注していたカスタマーサポート部隊を完全に内製化するなど、体制整備を進める。「不倫目的、ネットワークビジネス目的、さらに『ヤリ目(身体の関係のみの目的)』まで、すべて目的外利用に定め、おかしいと思ったら気軽に“通報”してもらえる導線も設けている」(会社側)。

ユーザーが増えるほど、セキュリティに課題

とはいえ、100%安全と言い切れるわけではない。昨年恋活サービスを使っていた男性(38)は、「すごく美人のプロフィール写真を上げている20代女子とマッチングしたと思ったら、ほどなく(恋活アプリ内のメッセージ機能ではなく)LINEのID交換を促されて、コンビニで買えるオンラインギフトカードの購入を促された」という。

これはSNSアカウントの乗っ取りなどでも散見される手口であり、恋活特有の問題ではない。だが、悪事を働こうとする個人や業者は後を絶たない。恋活サービスの市場が拡大し、多くの人が集まる場になればなおさらだ。運営側の継続的なセキュリティ強化が求められる一方で、ユーザー側も良し悪しを理解する必要があるだろう。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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