私たちが「自分」の名前を仕事にできた理由 はあちゅう×田中里奈が実践方法を語る
はあちゅう:私もフリーになってしばらくして、その感覚がわかるようになりました。昔、自分がファンだった人とお仕事ができたり、ごはんに行ったりできるのは、成長の証のひとつでもあるし、自分が仕事をがんばってきたご褒美のようにも思えて。と同時に、つねにそういう心が喜ぶ仕事が入ってくる自分でいたいから、努力をし続けよう、って気合いも入ります。
自分にしか届けられない情報をわかりやすく発信する
里奈:私からも聞いていいですか? 最近はあちゅうさん、SHOWROOM(アカウントがあれば誰でもネット上で生配信ができる仮想ライブ空間)してますよね。
はあちゅう:読者と直接つながれるし、リアルタイムで会話もできるから、SHOWROOMっていいなと思いました。
里奈:はあちゅうさんは新しいサービスを前にして、ああだこうだと考える前にさっとチャレンジしていて、やりながら考えを重ねてより良くしていく姿勢がすごいな、って思います。
はあちゅう:18歳のときに始めたブログもそうかも。当時、ブログなんてよく知らないから怖い、と思って始めなかったら、今の私はいなかった。何が自分の未来につながるかはわからないから、新しいものにかろやかに飛びついて、実際にやってみるのは大事な姿勢だと思う。里奈さんもほぼ同時期にブログを始めて、ブログでの発信を通じて、仕事を獲得していきましたよね。
里奈:はい、読者モデルを始めたあと、ブログを開設したから19歳のころでしょうか。ブログを始めて世界が変わったというか……自分の言葉で自分の内面を伝える場を手に入れたことで、私の言葉や文章、中身が好きだと言ってくれる人が増えましたし、仕事の幅も広がっていきました。その数年後、SNSが出てきたおかげもあって、今自分の名前で仕事ができているのかな、とも思います。
はあちゅう:私もブログやSNSでの「発信」が、自分を仕事にする方法につながっていくのかな、って考えています。里奈さんがブログやSNSでの発信で心掛けていることって何?
里奈:ひとつは、わかりやすくすること。私の投稿を全部、隅から隅まで読んでくれる、神様みたいな人はほとんどいないですよね(笑)。
はあちゅう:いませんね(笑)。
里奈:基本的には脳みそにさっと通すように見る人が多いと思います。だから、たとえばブログで続きものの記事を書くときは、1記事目からじゃなく、2記事目や3記事目から読んでくれる人も「?」ってならないように意識しています。もちろんブログ以外のSNSも方針は同じ。
はあちゅう:里奈さんの投稿を見ていると、そういう気遣いや丁寧さ、温かみが伝わってきます。
里奈:そう見てもらえてるとうれしいです。もうひとつは、本当にいいものを届けること。ブログを始めたばかりのころは、自分が好きなものを自分の言葉で紹介するのが、ただただ楽しくてたまらなかった。それを続けるうちに、気づいたら商品を作る仕事をするようになってて、ふと自分の立ち位置を考えました。
私には企画・開発者の生の声を聞ける機会があるから、そこで聞いた声をみんなに伝える“橋渡し”的な役目ができるんじゃないか、って。生感を伝えるのが私だけにできることだ、って気づいて以来、一貫して「いいものはいい」と伝えてきたから、読者との間に信頼関係も生まれているな、とも思います。
(後編につづく)
(構成:池田園子、撮影:菊岡俊子)
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