首都圏「大雪時の間引き運転」は逆効果だ 増発すれば列車がラッセル車代わりになる

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ところが、豪雪地で働くベテランたちの声に反し、雪が降ると列車を間引いて本数を減らし、雪を積もらせてトラブルを起こすケースが多い。1月11日夜から12日にかけて発生した信越本線の15時間半の立ち往生トラブルがその典型だ。

1月22日夕方の山手線内回りの状況。通常なら20本在線のところ15本しか在線していない(JR東日本アプリのスクリーンショットを加工)

大雪時に計画的に間引き運転するのは、過去の経験に基づき、多数の列車が運行していると、何かあったときに駅間停車が続出し、収拾がつかなくなるからである。しかし、現場を見ると、間引き運転がかえって混乱を拡大している。

ここでは、22日の夕方ラッシュの山手線の様子をレポートしよう。最初に、18時17分の内回りの状況を示す。1周に15本が在線している。外回りも同様に15本である。通常ダイヤでは内・外回りとも20本ずつが在線するので、5本ずつが計画的に間引かれていた。

通常ダイヤは1周65分(ホームドア導入とともに駅の停車時間が伸び、以前は夕方63分だった)に20本が在線し、平均3分15秒おきの運行である。それに対して22日は、混雑のために遅延も激しく、おそらく1周75分くらいを要し、15本の在線なので5分おきくらいの運行である。つまり、輸送力が普段より約25%少ない。

夕方ラッシュ前に会社を出た人が多かったせいか通常より利用者は少なかったが、輸送力が普段より少ないために車内の混雑は激しかった。いったん混んだ列車は停車時間が伸び、次の駅以降で待っている人が増え、ますます遅れる。そのため、1周の在線を見ると、遅れ、かつ混んだ列車を先頭にした数珠つなぎがいくつかできていた。

先行列車と間隔が空いた列車を中心に超満員だった。乗っている人の大半は「災害だから仕方ない」とあきらめの心境だろうが、混雑の原因は計画的な間引き運転である。

計画的に間引かないようにするために

間引くことにより輸送力が不足し、列車は遅れ、ホームは人であふれ、ホーム進入が困難となり運転できなくなる場合すらある。いったん止まると、パンタグラフの上に雪が積もり、その重みでパンタグラフが落ちて集電できず起動できない列車まで出て、混乱がさらに大きくなる。

長野の大雪対策のベテランたちから教わったように、間引かないことで雪が積もることを防ぐべきだ。短い間隔で運行することで、列車がラッセル車の役割を果たすことができる。

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